自民、公明、国民民主の3党の税制調査会幹部は6日、令和7年度税制改正に向けた会合を開き、親の扶養に入りアルバイトとして働く大学生年代(19~22歳)の年収要件を緩和する方針に合意した。現行の103万円以下から引き上げる。自公は来週にも引き上げ幅など具体案を国民民主に示し、詳細を詰める。
年収が103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」については、与党と国民民主の間に非課税枠の引き上げ時期などを巡り考えに隔たりがあり、議論が深まらなかった。3党は今後、国税である所得税について先に議論し、その後、住民税の扱いを検討する方針で一致した。
国民民主は7年1月から実施するよう改めて求めた。これについて、自民党の宮沢洋一税調会長は会合後、記者団に「技術的に越えなければならない難しい点がある」と指摘。企業の事務負担の増加を念頭に、実施まで一定の時間が必要との認識を示した。政府・与党は法整備のスケジュールなどを踏まえ、8年1月からの適用開始を軸に検討している。
非課税枠について、国民民主は最低賃金の上昇率を基に103万円から178万円への引き上げを要望している。ただ、それが実現した場合、政府は国と地方で7兆~8兆円程度の税収減につながると試算している。
この日は与党側から試算の詳細を説明したが、国民民主の古川元久税調会長は「本当に粗い試算で出てきた数字だ」と批判。与党側から物価上昇率に基づいて引き上げ幅を決める案が提示されたことも明らかにしたが、双方の溝は埋まらなかった。