辺野古ダンプ事故 沖縄・玉城知事宛に防衛局が異例の要請「妨害行為で警備員にも危険」

玉城デニー沖縄県知事宛の要請文書を提出する沖縄防衛局調達部長(左)=15日午後、那覇市(大竹直樹撮影)
玉城デニー沖縄県知事宛の要請文書を提出する沖縄防衛局調達部長(左)=15日午後、那覇市(大竹直樹撮影)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡した事故で、防衛省沖縄防衛局は15日、ガードレール設置などの安全対策や「妨害者」への注意・警告の実施を求める玉城デニー知事宛の要請文書を提出した。防衛局によるこうした要請は極めて異例とみられる。

土砂の搬出港付近では市民団体のメンバーがプラカードを持ってダンプカーの前をゆっくりと横断し、牛歩戦術で土砂の搬入を遅らせようとする抗議活動を続けてきた。

事故について要請文書は「警備員の制止を聞かず、左折して出ようとする進行中のトラックの前方車道上に(抗議者が)出たことから、制止し続けた警備員がお亡くなりになる事態になった」とし、「妨害行為により警備員にも危険が及ぶ事態は重大だ」と指摘した。

要請文書提出後、記者団の取材に応じる沖縄防衛局の三沢大輔調達部長(中央)=15日午後、那覇市(大竹直樹撮影)
要請文書提出後、記者団の取材に応じる沖縄防衛局の三沢大輔調達部長(中央)=15日午後、那覇市(大竹直樹撮影)

港湾を利用する事業者側が県に「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」と何度も要請し、玉城知事も把握していたが、県が「歩行者の横断を制限することになる」として認めてこなかったことも判明している。

要請文書は「県の対応が不十分であることは妨害行為が継続していることからも明らかだ」と強調し、道路や港湾施設の管理者として県が可能な措置を速やかに講じるよう求めている。

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