仲川市長の一問一答「市民の気持ち、一定配慮」

安倍晋三元首相が銃撃された近鉄西大寺駅前の現場周辺=7月8日、奈良市(本社ヘリから)
安倍晋三元首相が銃撃された近鉄西大寺駅前の現場周辺=7月8日、奈良市(本社ヘリから)

安倍晋三元首相の銃撃事件の現場整備をめぐる、奈良市の仲川げん市長の主な一問一答は以下の通り。

--弔意を示す構造物を作らないとの判断に至った経緯は

「事件が起きた当初とその後で、世論や市民の受け止め方に変化があったと思っている。毎日通りかかる人の思いを受け止めると、目を背けたいと思われる気持ちの方にも一定配慮する必要があると判断した。一方で、現場に手を合わせに来たい人の思いも否定できない。花壇のような形で安らかな空間を用意することでその場でお参りをしていただければと思っている」

--市民からも意見が寄せられていた

「市内外からかなり多くの声をいただいた。安倍首相個人を顕彰するようなイメージで、何か形に残してほしいとの意見もあった。一方で、一人の政治家としての評価となると、賛成反対さまざまな考えの人がいるので、世論の分断を生むという面もあった」

--国葬の状況を見て判断するとしていたが

「国葬が終わるまでは事件の区切りがつかないというところがあった。国葬が終わり、落ち着いて動静を見極めたいとの思いがあった」

--どのような場になってほしい

「事件のマイナスの部分を乗り越えられるような、力強い前向きな印象を、街づくりで表現したい。西大寺を活性化し、事件を前向きに乗り越えたい」

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