ダワ氏は演説で国連人権理事会の特別手続きによって、中国政府がこの件に関する説明を求められたことを指摘した上で、「少数民族、特にチベット人、ウイグル人、モンゴル人が直面する人権危機を認識し、現在の嘆かわしい状況の根本原因への対応策を見いだすよう中国に強く求める」と締めくくった。
16日はほかにも、パキスタン・バロチスタン州での同国軍による人権弾圧と、「中パ経済回廊」を通じた中国による資源の略奪を非難する同州出身のムニール・メンガル氏(バローチ・ボイス・アソシエーション代表)が演説し、「バロチスタンではパキスタン政府と異なる意見や見解を持つ者は全て破壊分子とみなされる」などと実情を訴えた。
「信教の自由」の侵害、改名の強要、弾圧への抗議としての焼身自殺、母語の使用を訴えただけでの逮捕・起訴…。彼らが提起した人権問題は、山城被告の訴えとは、明らかに次元が異なるものだった。
(政治部 原川貴郎)