「なぜブライユを?」と再度、同社編集部に質問を投げかけると、「大人の認知度はわかりませんが、小学生の認知度は極めて高いんです。昨年度のYahoo!きっずの人名検索ランキングでも1位です」と驚きの返事が。
念のため、子供向けポータルサイト「Yahoo!きっず」に、昨年度の「きっず検索ランキング」の人名第1位を聞いてみると、「はい、ルイ・ブライユです」。2位・AKB48、3位・織田信長、4位・嵐を抑えての堂々の1位だったそうだ。
教科書に載っている偉人だった
なぜ、小学生が「ルイ・ブライユ」を、それほど知っているのか。
それは、国語教科書でトップシェアを誇る光村図書出版の小学4年生用の教科書「国語四上 かがやき」の調べ学習の単元で、「点字」を通して視覚障害のある人とない人がかかわりあっていけることを学ぶ資料として、「ルイ・ブライユ」の名前がでていることによるらしい。
光村図書出版が、ルイ・ブライユを教科書に取り上げたのは、平成8(1996)年から。つまりいまの小学4年生から20代後半の世代の多くが「ルイ・ブライユ」を一般常識として学校で習っているということだ。
小学館の「ルイ・ブライユ」のストーリーづくりに協力した国立民族学博物館(大阪府吹田市)の准教授で、全盲の文化人類学者として知られる広瀬浩二郎さん(48)さんは「大学に講師として教えにいくと、生徒が、点字の発明者として『ルイ・ブライユ』の名前を知っているのに驚きます。ぼくが学生のころは、ほとんどの人が知らなかったです、教科書の力は大きい」と話す。