唐津神社境内で啖呵売(たんかばい)をするフーテンの寅さん(唐津神社所蔵、1974年撮影)

ロケ現場の唐津神社に到着した渥美清さん(唐津神社所蔵、1974年撮影)

 風光明媚(めいび)な名所旧跡や伝統文化に恵まれている唐津には、テレビや雑誌の取材、映画のロケなどで多くの著名人が訪れています。「フーテンの寅」こと渥美清さんもその一人です。

 今からちょうど50年前の1974(昭和49)年12月に公開された映画「男はつらいよ・寅次郎子守唄」(第14作)のロケで来唐されています。国民的人気の俳優をひと目見ようと市民が取り囲み、撮影現場を眺めました。

 映画では、唐津神社の秋祭り・唐津くんちでひと稼ぎした寅さんは、その後に宿泊した呼子の旅館で赤ん坊連れの男と意気投合し、酒を酌み交わします。翌朝、目を覚ますと「この子をよろしく」という置き手紙を残して、男は姿をくらませていました。ひょんなことから赤ん坊を預かって葛飾柴又へ戻った寅さんがまき起こす騒動と、お決まりのマドンナに惚(ほ)れつつも成就しない恋物語が描かれています。マドンナは十朱幸代さん。寅さんが憧れる美人看護師を演じています。

 「男はつらいよ」は、1969年の第1作から95年の第48作まで「一人の俳優が演じた最も長い映画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されています。

(まちはミュージアムの会)