2024/12/06 #30 - 今日の技術情報ダイジェスト

海外利用時のiPhone設定注意点

iOS 18の新機能「ライブ留守番電話」は、着信を自動で応答し、メッセージを文字起こしする便利な機能ですが、海外では高額な着信料が発生する可能性があるため、海外渡航中は設定をオフにする必要があります。通話料金は国や地域、キャリアによって異なるため注意が必要で、帰国後は忘れずにオンに戻しましょう。

k-tai.watch.impress.co.jp

Python 3.13のUnicode変更点

Python 3.13において、Unicode文字「兆」の数値表現が10の12乗から10の6乗に変更されました。これは、Unicode 15.1での変更によるもので、中国語での用例が優先された結果、日本の「兆」の定義と矛盾が生じています。そのため、Pythonのunicodedata.numericメソッドを用いた場合、数値の解釈が変化することに注意が必要です。

shmug.hatenablog.com

長時間処理の通知方法

この記事では、開発中の長い処理における待ち時間のストレス軽減策として、処理完了をMacのsayコマンドとaliasを用いて通知するコマンド作成方法を紹介しています。具体的には、sayコマンドに&& afplayを組み合わせることで、処理終了時に音声による通知を実現し、処理中断に気付かず休憩しすぎる問題の解決にも繋がることを示しています。WindowsやLinuxでも同様の機能を持つコマンドが利用可能であることも併せて説明しています。

zenn.dev

日本の年収103万円の壁問題

国民民主党の玉木氏によるガソリン減税と「103万円の壁」問題への政府対応の遅れに関する批判を受け、年収103万円を超えると社会保障制度が利用できなくなる「103万円の壁」の改定が、システム改修に2026年1月までかかるという小林議員の説明に対し、エンジニアの間で、設定値の変更だけで済むのではないか、あるいは実行ファイルへのハードコーディングが原因ではないかといった議論が活発化している状況が記事で報じられています。この「103万円の壁」問題では、システムの設計上の問題や、古いシステムの改修の難しさが指摘されており、その背景にある技術的な課題が注目されています。

togetter.com

アクセンチュアの生成AI戦略

アクセンチュアが生成AIを重点領域とした新執行体制を発表し、ほぼ全社員が活用するAIエージェント(AIバディ)の開発、AIエージェント同士の交渉によるビジネスモデル「エンタープライズ・デジタルツイン」構想、クライアントへのAI導入支援、3年間で10億ドルを投じるリスキリング支援などを明らかにしました。

robotstart.info

Linuxシステム速度低下の原因特定コマンド

Linuxシステムの速度低下の原因特定に役立つコマンドとして、ディスク使用率やI/O待ち時間などを表示するiostat、リアルタイムでプロセスごとのディスクI/O使用状況を表示するiotop、それらの機能を組み合わせたdstat、システムアクティビティの情報を収集・報告してCPU使用状況などを分析するsar、そしてハードドライブの状態を確認し故障の兆候を検出するsmartctlの5つが紹介されています。

japan.zdnet.com

ソブリンクラウドの現状と課題

近年、日本企業によるソブリンクラウド参入・サービス強化が活発化しており、NTTデータやNRIなどが中心的な役割を担っています。ソブリンクラウドとは、データ主権、運用主権、システム主権の3つの概念を統合したクラウドサービスで、欧州ではリージョン不足や地政学的リスクへの懸念から重視されていますが、日本においては日米関係の安定性からその必要性は欧州ほど高くありません。一方で、ハイパースケーラーとの競争など、ソブリンクラウド事業にはリスクも伴います。本記事は、このような状況下で、日本企業がソブリンクラウドをどの程度理解し、活用できるのかを考察しています。

note.com

Windows 11のシステム要件に関する報道への公式見解

一部報道で伝えられていたWindows 11のハードウェア要件緩和について、日本マイクロソフトが公式に否定しました。システム要件に変更はなく、TPM 2.0は引き続き必須であり、要件を満たさないPCへのインストールは推奨されず、サポート対象外となります。マイクロソフトは公式ドキュメントに免責事項を追加して注意を喚起しており、Windows 10サポート終了が近づく中、アップグレードできないユーザーへの影響が懸念されます。

forest.watch.impress.co.jp

WebサイトをアプリとしてインストールするChrome/Edge機能

ChromeとEdgeでWebサイトをアプリとしてインストールできる機能が紹介されています。この機能を利用することで、Webサイトへのアクセスが容易になり、表示領域が広がり、ドメインの判別もしやすくなります。さらに、アプリによっては追加機能も利用でき、低スペックPCでもリソース消費を抑えられるというメリットがあります。インストール方法はブラウザメニューから簡単に実行でき、Webメール、SNS、Googleサービスなどでの利用に特に便利です。

pc.watch.impress.co.jp

AmebaのAurora MySQLコスト削減事例

サイバーエージェントAmebaは、Amazon Aurora MySQLの料金体系をI/O Optimizedに変更することでデータベース費用を半額に削減しました。I/O OptimizedはI/O操作料金が無料となる新しい料金体系で、Cost Explorerを用いてI/O料金の割合を確認することで切り替えの可否を判断できます。ただし、I/O使用量が低い場合は逆に費用が高くなる可能性があるため、Datadogなどのツールを用いてI/O量とコスト分岐点を可視化し、最適な選択を行う必要があります。

ca-srg.dev

AWS re:Invent 2024 セッションレポート:テナント分離戦略

AWS re:Invent 2024のセッション「Next-generation SaaS tenant isolation strategies」をレポートした記事で、テナント分離におけるデータパーティショニングに加え、アプリケーションからの不正アクセスを確実に拒否する仕組みについて解説しています。従来のIAMによるアクセス制御の脆弱性を指摘し、AWS IAMによるJWT検証とSTSを用いた新たなテナント分離の方法を紹介。Secrets ManagerやAmazon Verified Permissions(AVP)との連携によるきめ細かいアクセス制御と、RFC 8693 OAuth 2.0 Token Exchangeを参考に外部トークンを内部トークンに変換するアーキテクチャを提案しています。

kaminashi-developer.hatenablog.jp

アマゾンの独禁法違反疑惑に関する公取委調査

公正取引委員会が、アマゾンジャパンに対し独禁法違反の疑いで調査を実施しており、出品業者から情報提供を募る専用ページを開設しました。調査内容は、アマゾンによる出品業者への価格改定要求や、物流サービスの強制利用といった行為に焦点を当てており、16項目の質問からなるアンケート調査で、価格改定の有無やその理由、アマゾンとのやり取り、不当な要求の有無などを検証します。

www3.nhk.or.jp

省エネエアコンの開発とGAIR関連技術の電力消費削減目標

パナソニックが、冷房をつけっぱなしにしても省エネ性能が高いエアコンを発売しました。コンプレッサーの刷新により実現したもので、2025年までにGAIR関連技術の電力消費削減という目標達成に貢献する技術として期待されています。現状、GAIR関連技術の電力消費は目標値(0.3kW以下)を大きく上回る9.0kWとなっており、省電力化技術の導入が急務となっています。本エアコンは、その課題解決に繋がる製品の一つと言えるでしょう。

www.itmedia.co.jp

松尾研究所データサイエンティストのおすすめ書籍

松尾研究所のデータサイエンティストが、AI共同開発や社内プロジェクト推進といった業務において役立った書籍10冊を紹介しています。仕事を進める上でのノウハウ、チームマネジメント、クライアントワーク、機械学習、そしてエンジニアリングの5つの分野から厳選された書籍と、それらの具体的な業務への活用方法が詳細に解説されています。各分野のスキル向上を目指すデータサイエンティストやエンジニアにとって貴重な情報源となるでしょう。

zenn.dev

Amazon Inspectorの脆弱性検出結果メール通知設定

AWS Security HubとAmazon Inspectorを連携させ、Inspectorで検出された未改善の脆弱性情報を、CRITICAL、HIGH、MEDIUMの重要度で分類し、毎週メールで通知する仕組みを構築した事例が紹介されています。Amazon EventBridge SchedulerとLambda関数を用いて、Security Hubから脆弱性情報を取得し、アカウントごとに集計、SNS経由でメール送信することで、脆弱性を見逃すリスクの軽減とセキュリティ対応の効率化を実現しています。

dev.classmethod.jp

freeeのOAuth/OIDCクライアント管理手法

freee社が、OAuth/OIDCのクライアント管理において、クライアントの種類を分類するfreee_client_typeを開発した経緯と、その設計、効果について解説しています。freeeでは、標準的なOAuth 2.0やOpenID Connectの分類では自社の多様なクライアントを網羅できないため、独自の型freee_client_typeを導入することで、クライアント毎の機能制御を効率化し、セキュリティと利便性の両立を実現しました。これにより、設計の見通し向上、テスト品質向上、開発効率向上、拡張性の確保に貢献しており、今後はパターンの最適化とセキュリティ強化を進めていく予定です。

developers.freee.co.jp

医療機関におけるSSDデータ消去と廃棄ミス事例

南生協病院において、10~20台のSSDを廃棄処分業者に引き渡す際、データ消去装置による消去がSSDに効果がないことを認識せず、データ消去が不十分な状態で廃棄された可能性があることが判明しました。患者情報が含まれている可能性がありますが、現時点では情報漏洩は確認されていません。病院の運用ルールでは個人情報のSSDへの保存は禁止されていたにも関わらず、今回の事態が発生しました。再発防止策として、廃棄手順の見直しと記録管理の徹底を行うとのことです。

scan.netsecurity.ne.jp

フロントエンドテスト戦略と実践例

フロントエンドテストのレベル(単体、統合、E2E)とタイプ(ユニット、統合など)を解説し、テストピラミッド、テストトロフィー、アイスクリームコーンといった3つのテスト戦略を紹介しています。ReactテストにおけるRedux、@mui/x-date-picker、MUIテーマ使用時のエラーとその解決策(コンポーネントのラップ)を具体例と共に示し、カスタムフックのテスト方法としてrenderHookactの使用方法を説明しています。Vitestを用いたテストフレームワークの実例も紹介しており、テストレベルとタイプの適切な選択による効率的なテストコード作成の重要性を強調しています。

tech.iimon.co.jp

Windowsの隠しパフォーマンス機能

Windows 10/11には「究極のパフォーマンス」という隠し機能があり、コマンド入力で有効化できますが、劇的な性能向上は期待できません。高パフォーマンスモードとの違いはHDDの電源オフ設定のみで、HDDの寿命が短くなる可能性も指摘されています。また、機種によっては選択できない場合もあるため注意が必要です。

gigazine.net

ThreadsとFediverseの相互運用性強化

MetaのThreadsが、Fediverse(Mastodonなど分散型ソーシャルメディアプラットフォームの集合体)との相互運用性を強化するアップデートを実施し、他のFediverseユーザーをフォローして投稿や返信の通知を受け取れるようになりました。これにより、これまでThreadsから他ユーザーへの返信は不可能でしたが、通知機能の追加によってFediverseユーザーとのコミュニケーションが容易になります。具体的には、Fediverseユーザーのプロフィール表示やフォロー機能が実装され、完全な相互運用性はまだ実現していませんが、開発は継続中です。

gihyo.jp

TypeScript/JavaScript配列操作の完全解説

TypeScript/JavaScriptの配列操作を網羅的に解説した記事で、ECMAScriptの最新バージョンに対応した書き方を、古い書き方との比較を通して説明しています。配列の作成、コピー、要素の追加・削除・変更、結合、ソートといった基本的な操作に加え、スプレッド構文やイミュータブルなメソッドの活用、tsconfig.jsontarget設定のアップデート、関数型プログラミングのリスト処理手法についても解説しており、TypeScript/JavaScriptで配列を効率的に扱うための実践的な知識が得られます。

future-architect.github.io

傷ありDVD-ROMのエラー発生位置計算

メルカリで入手した傷のあるPS2ソフトのDVD-ROMを対象に、ECMA-267規格書に基づき、物理的な傷の位置からエラー発生位置を計算し、実際に発生したエラー位置と比較検証した結果と、誤り訂正機能やデータ記録方式の詳細な分析結果について解説しています。

blog.oomurosakura.co

Park Directのデータ基盤構成

Park Directのデータ基盤の構成(2024年12月版)について解説した記事で、2024年3月から12月までの構成変化と、ETLツールとしてTROCCO、DWHとしてBigQuery、BIツールとしてRedashなどを採用した経緯、少人数チームでの運用効率化のための工夫(TROCCOの機能活用、BigQuery Scheduled Queryを用いたデータマート作成、Redashと独自ツールを組み合わせたスプレッドシートへのデータ出力など)が紹介されています。また、データソースの拡充、BigQuery Scheduled Queryからの移行、ヒストリカルデータ蓄積の効率化、Redash依存からの脱却、データアクセスUIの多様化などが今後の課題・改善予定として挙げられています。

nealle-dev.hatenablog.com

Findy Engineer LabのGitHub活用による記事制作効率化

Findy Engineer Lab編集部が、GitHubを用いた記事制作の効率化を目指し、GitHubのみで記事制作を行う連載企画を開始しました。現状の複数のツールによる作業効率の低さ、特にコピペ作業による手間とエラーリスクを解消するため、GitHubのプロジェクト管理、ドキュメント管理、コードレビュー機能などを活用します。はてなのエンジニアである武藤氏をアドバイザーに迎え、Google Docsとの比較検討を経て、Markdown形式でのGitHub活用を検討しています。

findy-code.io

vLLMを用いた独自マルチモーダルモデルの高速推論

vLLMライブラリを用いて、Hugging Face Transformersで実装された独自開発の動画生成モデル(マルチモーダルモデル)の推論を高速化する手法を紹介しています。PagedAttentionアルゴリズムによるvLLMの高速化機構、vLLMへのモデル適合手順、アクションベクトルなどのマルチモーダルデータの扱い方、ダミーデータ生成などのvLLM特有の処理を解説し、実験結果としてvLLM利用による約2.6倍の推論速度向上を示しています。

zenn.dev

フロントエンド開発環境の比較

フロントエンド開発における開発環境の現状と、スタンドアロン型(VS Code、Eclipse IDEなど)とクラウド型(Visual Studio Code for the Web、Eclipse Theia IDE、Paiza.IOなど)の代表的なIDEの特徴、機能、料金体系などを比較解説し、開発環境選択における注意点も述べています。

levtech.jp

RTOSの概要とリアルタイム処理の仕組み

記事ID405「RTOSの概要とリアルタイムを実現するための仕組み」では、エスマット社のエンジニアがリアルタイムOS(RTOS)について解説しており、時間制約のある処理に適したOSで組み込み機器などに利用されていること、汎用OSとの違いとしてタスクのスケジューリング方法(RTOSは優先度重視)が挙げられていること、RTOSのメリットとしてリアルタイム性と保守性の高さを、デメリットとして設計の複雑さなどを説明しています。また、12月10日開催のエスマット社技術イベントも紹介されています。

zenn.dev

ローカルLLM実行ツール"Ollama"とGUIフロントエンド"Alpaca"

この記事は、ローカルで動作する大規模言語モデル(LLM)実行ツール「Ollama」のGUIフロントエンドである「Alpaca」の使い方を解説しています。AlpacaはUbuntuと相性が良く、Flatpakパッケージとして提供されており、GPL-3.0ライセンスで自由に利用可能です。NVIDIAまたはAMDのディスクリートGPUが必要ですが、AMD GPUを使用する場合はROCmの対応状況を確認する必要があります。記事ではUbuntu 24.04 LTS環境でのインストール方法、Waylandセッションでの動作推奨、Alpacaの起動方法、Qwen 2.5 14bなどのモデルのダウンロード方法、使用方法、そしてGPUが正しく動作しているかを確認するための方法(「integrated Ollama instance is running」の表示確認)が具体的に説明されています。

gihyo.jp

モンテカルロ木探索を用いたLLMの思考性能向上

複雑なタスクを解くためのLLM手法として提案された「HiAR-ICL」は、モンテカルロ木探索を用いてLLMの推論ステップを導出することで、精度向上を実現しています。抽象的なアクション定義と評価関数により、小規模なLLMでも高い性能を発揮し、プロンプトベースでの拡張性も高く、RAG(Retrieval Augmented Generation)への応用も期待できます。既存手法と比較して高精度ですが、大規模モデルには劣る部分も存在します。

zenn.dev

コンテナセキュリティに関する高度な解説

記事ID408「突き破って学ぶコンテナセキュリティ」では、コンテナの脆弱性を悪用した攻撃手法と、それに対する防御策を詳細に解説しています。具体的には、特権の付与やPID Namespaceの共有によるホストへのアクセス、といった攻撃手法と、Pod Security Standardsの活用やDockerfileの適切な設定といった防御策が紹介されており、高度な技術的知識が求められる内容となっています。

speakerdeck.com