CV計測に関わるGAの設定でよくある3つの間違いと今すぐやっておきたい4つの設定

CV計測に関わるGAの設定
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SEOなどを中心にWebマーケターにとって必要不可欠なツールの1つであるGoogleアナリティクス(以下GA)。

しかし、必要な設定が行われていないことで、コンバージョン(以下CV)の計測に誤りが生じているケースが意外と多いのをご存知でしょうか?言うまでもなく、計測そのものに誤りがあれば、計測したデータにもとづく分析や戦略の精度も低下してしまいます。

そこでこのコラムでは、GAでの正確なCV計測を阻む3つのよくある間違いを紹介します。また、今すぐにやっておきたい4つの設定も合わせて紹介します。SEARCH WRITE

※GA4への移行について気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

GAの設定でよくある3つの間違い

GA設定よくある3つの間違い

その1:目標ページのURLの条件設定が違う

【条件設定の間違い】

GAの設定で特に重要となるのが、目標ページの設定です。商品購入後やサービス申し込み後に表示されるいわゆるサンクスページへのアクセス数、訪問者の平均滞在時間、PV数やCV数といったアクセス解析に必要な情報を得るには、目標ページの設定が必須となります。

そして、目標ページでは何らかの条件を設定します。具体的には、次のような「マッチタイプ(条件)」を設定できます。

  • 等しい – 通常の固定 URL 向
  • 先頭が一致 – 末尾の URL パラメータを除外
  • 正規表現 – 複数の条件向け

※各条件の詳細については、下記URLページを参照ください。

(Google)アナリティクスヘルプ「到達ページ目標の設定例」:https://support.google.com/analytics/answer/1116091?hl=ja

そして、この目標ページの条件設定が間違っているケースが少なくありません。なかでも特に問題となるのが、パラメータに関する条件設定の間違いです。サンクスページのURLにパラメータが付いている場合には、この部分がCVの度に変化します。

例)http://www.example.com/thanks.html?123456

※上記のようなURLの場合、「?」以降がCVの度に変化します。この場合、条件設定を「等しい」にして、URLを「/thanks.html?123456」と設定してしまうと、CVの度に変化するパラメータが考慮されず、正しくカウントできません。

そのため、URLは、「/thanks.html」と設定し、条件は先頭一致か、正規表現一致のいずれかを選択しましょう。


【入力したURL情報の間違い】

1.「/」が抜けている

目標ページのURL設定はルールがあり、サイトのドメインを抜いた「/」から入力しなければカウントを行ってくれません。そのため、目標ページのURLを入力した際は、先頭の「/」が抜けていないか確認する必要があります。

/が抜けている

2.ドメインごと入力している

GAのURLの表示は、ドメインを除いた第1ディレクトリの先頭「/」以下が表示される仕組みとなっており、目標ページのURLの入力ルールもこれに合わせる必要があります。

※フィルターを利用してホスト名をページ指標に表示させている場合を除く。

したがって、ドメインを含めたURLを入力したとしても目標ページとして認識されず、カウントをしてくれません。

ドメインごと入力している

このような間違いを防ぐには、次の方法で正しい設定方法を確認する必要があります。


【正しい設定の確認方法】

目標ページのURLを設定した後には、必ず「保存ボタン」の上にある「この目標を確認」をクリックしましょう。正しくURLが入力されていれば、CVRが算出されるため、間違いがないと確認できるからです。

正しい設定の確認


その2:フォームにPOSTメソッドを用いているため、正確にCVを把握できない

商品購入やサービス申込で、登録画面・確認画面・サンクスページと遷移するにも関わらずURLが変化しないようにしている場合には、CV数を正確に計測できていない可能性があります。

このようなサイトでは、POSTメソッドを使用してURLを変化させず、表示内容だけを変化させている場合が多いはずです。しかし、この場合にはURLが変化しないため、次のようなケースも1CVとカウントされてしまうのです。

  • 「登録画面には到達したが、情報を入力せずに離脱した」
  • 「登録画面で情報を入力したものの、確認画面への遷移後に離脱した」

効果測定として把握したいのは、当然サンクスページに到達した数となります。しかし、POSTメソッドを用いているとCV数を正確に把握することができないのです。POSTメソッドを用いている場合にもCV数を正確に把握するには、イベントトラッキングを設定しておく必要があります。

※具体的な設定方法は、下記URLページを参照ください。

(Google)アナリティクスヘルプ「イベント トラッキングを設定する」:https://support.google.com/analytics/answer/1136960?hl=ja


その3:異なるドメインサイトからの流入を正確に計測できていない

ECサイトやアフィリエイトサイトでは、異なるサイトドメインから商品購入・サービス申込フォームに流入させることがあります。

一方で、GAは本質的には単一ドメインサイトのアクセス解析を目的に設計されています。そのため、ページのドメインが変わる遷移が発生すると、セッションが一度切れてしまい直接流入として扱われ、正確に解析することができません。

異なるドメインからの流入についても正確に解析するには、クロスドメイントラッキングを設定する必要があります。Googleタグマネージャ(以下GTM)を活用すれば、比較的容易にクロスドメイントラッキングを設定することが可能です。

※クロスドメイントラッキングの設定方法は、下記URLページを参照ください。

(Google)アナリティクスヘルプ「クロスドメイン トラッキングを設定する」:https://support.google.com/analytics/answer/1034342?hl=ja


今すぐやっておきたい4つの設定

今すぐやっておきたい4つの設定

その1:目標到達プロセス

「流入数が多いにも関わらず、CV数が伸びていない」

そんな時には、CVに至るプロセスに課題が潜んでいる可能性があります。

プロセスのどこに課題が潜んでいるのかを知るうえでは、「目標到達プロセス」が大きな助けとなります。たとえば、ECサイトの場合には商品購入に必要なプロセスをもとに目標到達プロセスを作成しましょう。

その結果、各プロセスの完了率を計測できるようになり、訪問者がどのプロセスで離脱したのかを把握できるようになります。そして、各プロセスの完了率をもとにボトルネックを見出し、優先的に改善していくことが可能となります。

※目標到達プロセス設定の詳細については、下記URLページを参照ください。

(Google)アナリティクスヘルプ「目標到達プロセス」:https://support.google.com/analytics/answer/6317523?hl=ja


その2:値の設定

値の設定を行うと、各ページを重み付けすることができます。目標数の増加施策に影響のあるページを容易に発見しやすくなるため、ぜひ設定しておきたいところです。

ただし、計算方法は目標ページへの到達にどれほど寄与(通過したCV)したかという視点で算出されるため、必然的に送客を強化しているページが強くなります。

そのため、階層構造が整っており、かつコンテンツの数が充実している状況でなければ、新たな気づきを得られる可能性は低いと言えるでしょう。

たとえば、メディアサイトで、同一階層に複数のテーマについて扱ったコンテンツが掲載されている場合、目標達成についてどのコンテンツの影響度合いが強いかを可視化することができます。

また、CVの中継地点として機能した場合も値が付与されるので、検討段階にあるユーザーに対してどのコンテンツが影響を与える要因になり得るのかを推測する手助けとなる場合があります。

目標の詳細


その3:スマートフォンでの電話計測

近頃、スマートフォンで閲覧した際にページに掲載されている電話番号をタップすると電話アプリが起動し発信できるようになっているサイトが多くなっています。タップすることで電話アプリを起動するというタグを埋め込むことで、こうした動作を可能にしています。

そして、GAでは、実は電話による問い合わせや申し込みの発生件数についても計測できることをご存知でしょうか?GAのイベントトラッキングを活用することで電話によるCV数も計測できるのです。

ただし、あくまでも該当ページの電話番号をタップして電話を発信したことをもってCVとしてカウントされるため、電話番号を直接入力した場合にはカウントされません。また、電話での内容によって商品購入やサービス申込といったCVに至らなかった場合であっても、GA上では1CVとしてカウントされます。


その4:サンクスページが無い場合の目標設定

メディアサイトやアフィリエイトサイトなど、別のサイトへの送客を主な目的としているサイトではサンクスページが存在しないのが一般的です。

そのような場合には、外部サイトへの移動(アウトバウンドリンククリック)を計測しましょう。

GAでは、イベントトラッキングを用いることで、サイト内でのクリックやスクロール、時間の経過など「ユーザーの動き」をデータとして取得することができます。

この機能を利用して外部サイトのリンクをクリックした動作を取得し、それをGA上で目標として設定すればサンクスページが存在しないサイトでも目標設定が可能です。

数年前はHTMLを都度修正しなければいけませんでしたが、今ではGTMを利用することによって、数分で設定できるようになりました。 

また、送客目的ではないメディアの場合は、「どれだけ記事が読まれましたか?」を目標として設定することが最適かもしれません。イベントトラッキングを用いて記事の末端部分までスクロールされた際にその情報をGAに送ることで、最後まで記事を読んだユーザー数を記録することができます。

しかし、ざっと全体を流し読みした場合もカウントに含まれてしまいます。そのため、末端までスクロールした際に秒数も取得できるようにすれば、さらに正確な読了数を計測できるようにするのが良いでしょう。

こういったスクロールの設定は、jQueryのプラグインを利用するのがおすすめです。GTMのカスタムHTMLを利用することで、HTMLソースコードを修正することなく設定できます。


まとめ

正確なCVの計測は、サイトに潜む課題の発見とその後の改善アクションに大きな影響を与えます。

まずは、今回取り上げた間違いを犯してはいないかを確認して、正確なCV計測を実現することが重要となります。そして、「今すぐやっておきたい4つの設定」を行うことで、CV計測の質をさらに高めていきましょう。

以下の記事では、CVRに最もインパクトがある要素の一つである「CTA」について解説しています。

基本の解説や外せないポイントまで紹介しているので、ぜひ読んでみてください。

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