「現実にあるもの/ないもの」を組み合わせる。背景画アーティスト わいっしゅが語る 魅力的な世界の描き方
インタビュー/原田イチボ
もともとはキャラがメインの絵を描いていた
── 本日はよろしくお願いいたします。子どもの頃からキャラクターより風景を描くのがお好きだったのでしょうか?
── では本格的に絵を描くようになったのは、いつ頃なのでしょうか?
── わいっしゅさんのpixivアカウントを見ると、初期の投稿は女性キャラクターメインのものが多いですよね。そこから背景イラストにシフトしていったのはなぜですか?
── そこからどのようにプロになったのでしょうか?
── しばらくは兼業イラストレーターとして活動していたんですよね。
まずは印象的なシンボルを考える
── 背景画を描くにあたって、まずは印象的なシンボルを考えるそうですね。そのアイデアはどのようにひらめくのでしょうか?
3D空間上であれこれ試すうちに、アイデアが固まってくることが多いです。たとえば、本来なら安定しているものを不安定に配置してみたり、ひとつひとつは普通の要素を縦方向にガチャッと重ねてみたり……。
『御神体守の街』という作品を例に説明してみますね。とりあえず地形から作り始めて、「中央に巨大な岩がそびえ立っていると神秘的なんじゃないか」というアイデアが浮かびました。その岩を祀るものも必要だろうと考えて、岩の周辺に街と神殿を作りました。
── 細長い島が隣接していて、『御神体守の街』は奥に見える風景も不思議な印象ですよね。
── わいっしゅさんは魅力的な背景画を描くための方法論として、「現実にあるもの」と「現実にないもの」の組み合わせや、その世界の「文化」と「エネルギー」を考えるそうですね。
── なるほど。「現実にあるもの/ないもの」、「文化」、「エネルギー」を切り口にして、だんだんイメージを固めていくんですね。
3Dと2Dを混ぜ合わせて「わいっしゅらしさ」を生み出す
── 制作フローを教えてください。
── 工程で特にこだわるところはどこですか?
── レタッチで意識していることは何でしょうか?
── 3DCGソフトウェアにMODOとVUEを選んだのはなぜですか?
── 昔は2Dでイラストを制作していましたよね。3Dに切り替えるきっかけは何だったのでしょうか?
── では、画像生成AIなどの利用も考えますか?
依頼時はマスト要素とウォント要素を明確に
── 背景画アーティストとは、どんなお仕事なのでしょうか?
── クライアントとのやり取りで気をつけていることは何でしょうか?
指示書や仕様書をもらった後、その通りにすぐ作業を進めないことです。同じ単語だとしても、それが指すものに対するイメージは、自分とクライアントのあいだで絶対にズレがあります。お互いのイメージがズレたまま作業しても良い結果にはならないので、必ず打ち合わせをして「ここにはこう書いてありますが、こういう認識でいいですか?」と細かく確認します。
── イラストを発注する人に向けて、「このように発注してくれると助かる」というリクエストはありますか?
── なるほど! 同人誌などでイラストを外注する機会がある人にとっても参考になりそうです。イラストレーターの中でも、特に背景画アーティストに向いているのはどんな人でしょうか?
── つまり「わいっしゅさんみたいに、書籍を出版したり、個展を開いたりできる背景画アーティストになるぞ!」と思って業界に飛び込むと大変……?
今回の個展は、さまざまな世界を旅するように楽しんで
── 個展「Into the worlds」について教えてください。タイトルとメインビジュアルはどのように生まれましたか?
── 「現実にあるもの/ないもの」の組み合わせですね。未知のエネルギー生成工場というのは、想像がふくらむ設定です。
── アニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』などの音楽で知られる作曲家の井内啓二さんが個展会場のBGMを手掛けると聞きました。
── pixiv WAEN GALLERYで背景画の展示が行われるのは初めてのことです。
── 今後の目標や、挑戦してみたい仕事を教えてください。
11/23(水)まで開催中!わいっしゅ個展「Into the worlds」
わいっしゅさんによる見応え抜群の風景イラスト約60点が展示されます。こだわりのBGMと共に、さまざまな世界を旅するような気持ちでお楽しみください。
開催期間:2022年11月02日(水)~11月23日(水)
定休日:なし
入場無料
所在地:東京都渋谷区神宮前5-46-1 TWIN PLANET South BLDG. 1F
営業時間:12:00~19:00