初心者必見!イラストの描き方やコツをたった4ステップで基礎から学ぶ講座
全体を通して読むことで絵の描き方の知識が深まるだけでなく、描き方のコツやイメージがまでぐっと掴みやすくなる、読み応えのある内容です。描き方を知りたいお絵かき初心者の方、基本の流れのおさらいをしたい方におすすめです。
1 イラストの描き方は大きくわけて「アナログ」「デジタル」の2つ
イラストを描く人同士の会話では日常的な「アナログはちょっと苦手」「自分はデジタル派」といった会話。もしかすると、イラスト初心者のみなさんの中にはピンと来ない人もいるかもしれませんね。
イラストには大きく分けて
・アナログ
・デジタル
の2つの描き方があります。
パソコンやモバイル端末のような電子機器を使わない場合がアナログ、使う場合はデジタルと大雑把に覚えておきましょう。
それぞれどんな種類や特徴があるのか、pixivに投稿されている作品を参考にしながらテイストの違いを見ていきましょう。
2 アナログイラストの特徴とメイキング
アナログイラストとは
紙やペンなど、パソコンやモバイル端末のような電子機器を使わずに描くイラストをさします。使用される画材は鉛筆・色鉛筆、コピック、水彩絵の具、油彩絵の具、水墨画で使う墨汁など、多岐にわたります。
紙と画材さえ揃えればいつでも描き始めることができます。コピー用紙とシャープペンシルで描いた絵も立派な「アナログイラスト」だと言えます。デジタル機器に慣れる手間がなく、すぐに・誰でも始められる気軽さがアナログイラストの特長のひとつです。
アナログイラストの魅力と注意点
画材の種類による違いはもちろん、画用紙やケント紙など使う紙との組み合わせで表現や見栄えが変わるのがアナログイラストの魅力のひとつ。デジタルイラストのようにやり直しや加工がきかないため、同じものを複数描いたとしても判で押したように描くことは難しいですが、ときに良い意味で期待を裏切る仕上がりになったり、同じ画材・同じ紙を使っていても描くたびに微妙に色合いが変わって面白いですよ。
一方で画材や道具の保管には注意が必要です。コピックなどの油性マーカーや絵の具は乾燥・高温に弱いため、フタを閉めて適切な温度で保管しましょう。またアナログイラストの画材は、使い切った際にすぐ買い足すのが難しい場合もあるため、特に良く使う色を中心に、こまめに残量や在庫のチェックをしましょう。
アナログイラストの種類
■ 色鉛筆
鉛筆と同じ感覚で使うことができ、初心者でも描きやすい画材です。筆圧の強弱を変えたり、薄く塗った後で濃くしたい部分に重ね塗りするなど直感的に濃淡を付けることができます。
使いたい色を絵の具のように混ぜ合わせて作ることは難しいので、まずはJIS規格色と呼ばれる基本色を含む24〜48色を揃え、表現の幅をより広げるために欲しい色を買い足していくことをオススメします。粒状感のあるタッチや筆跡を活かして柔らかさや暖かみを出すなど、幅広い使い方ができることが色鉛筆の魅力です。
■ コピック
コピックは、豊富なカラーと鮮やかな発色が人気の油性マーカー。
カラーバリエーションが豊富であることや、2種類のペン先(ニブ)を備えたコピックスケッチ・広範囲を塗るのに便利なコピックワイドなど、ペンの種類が選べることが特徴です。ペン先を専用のキットに付け変えると、エアブラシとして使用することもできます。コピックは、イラストの彩色で利用されるだけでなく、建築・ファッションデザインの現場でも使われているのだとか。重ね塗りをしたりグラデーションをつけたりが容易にできるので繊細なイラストにも向きますし、発色がよくハッキリしたイラストにも活用できます。3 デジタルイラストの特徴とメイキング
デジタルイラストとは
・パソコンやスマートフォン、タブレット端末など
・ペイントソフト
の2つを揃えれば描き始めることができます。かつてはデジタルイラストを描くためにはパソコンの購入が必須でしたが、端末の性能向上やペイントソフトの充実により、スマートフォンさえ持っていれば手軽にデジタルイラストに挑戦できるようになりました。
パソコンで絵を描く際は、マウスとは別に、ペン型の入力デバイス「ペンタブレット(ペンタブ)」も合わせて購入すると、アナログイラストを描いているかのようにデジタルイラストを描ける環境が整います。
デジタルイラストの魅力と注意点
たくさんの画材を買わなくても描き始めることができるだけでなく、デジタル環境のツールや機能を使えばアナログでは大変な作業が簡単にできてしまうのが最大の魅力です。
例えば
・気になる工程から何度でもやり直し・修正ができる
・複雑なレース柄や規則性のあるチェック柄など、描くのが大変な模様をコピー&ペーストで簡単に入れられる
などのメリットがあります。
模様やモチーフはWEB上で無料で配布されている物も多く、アナログの画材と異なり半永久的に使えるのも嬉しいですね。
デジタルイラストの種類
■ パソコンを使ったデジタルイラスト
パソコンはペンタブレット、液タブと組み合わせて描くことでじっくりと複雑な描き込みができます。多くのペイントソフトには「レイヤー」と呼ばれる機能が備わっています。レイヤーは、まず絵を描いて、その上や下に透明なシートを重ねて描き足すことが出来る機能です。りんかく線と色塗りで使うレイヤーを分けたり、色塗りをする際に髪と顔など描くエリアごとに別のレイヤーに分けたりして使うと便利です。レイヤーを分けておくと後から修正や変更がしやすいというメリットがあります。
パソコンで使用できるペイントソフトはAdobe Photoshop(フォトショップ・フォトショ)・Illustrator(イラストレーター・イラレ)、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)、SAI(サイ)などたくさんの種類があります。
各ソフトの特徴は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
■ タブレット端末/スマートフォンを使ったデジタルイラスト
持ち運びができるため、どこでもいつでもデジタルイラストが描けます。
また、下書きをアナログ環境で描いて、スマートフォンで写真に撮り、そのままスマートフォンのペイントソフトで色塗りや画像加工などの仕上げをで行う、というアナログイラストとデジタルイラストの良いところを両方活かすことができます。
ペイントソフトはpixiv Sketch、ibisPaint、メディバンペイント、Tayasui Sketches 2 Pro、Inkboard、Adobe Photoshop Sketchなどがあります。
4 全てに使える!基本の描き方の流れ
それではイラストの基本的な流れをキャラクター絵を例にチェックしましょう。pixivが運営するお絵かき学習サービス「sensei(センセイ)」から一部抜粋してご紹介します。一般的な流れの例なので、必ずしもこの手順で無くても大丈夫です。
step1 アタリを描く
まずは、顔や身体を、簡単な図形に置き換えて全体や向きを決めます。
これはアタリと呼ばれ、バランスの崩れを防ぐガイドの役割をします。
step2 ラフ/下描き
次に、アタリに沿ってキャラクター全体を描きこんでいきます。
この段階で7割ほど全体のイメージが決まるため、全形がわかるようにザックリと肉付けした後、詳細を描き入れていきます。この段階でメインとなるカラーや簡単な配色(色決め)を行うこともあります。step3 線画/ペン入れ/清書
ラフに沿って、線画を清書します。下描きはここで消します。
線画は、下描きをじっくりと「なぞる」ことよりも「きれいな線を引く」ことを意識して、一筆で描いていくのがコツです。苦手な方向に線を引く場合は、キャンバスを回転させて得意な方向に置き換えると良いでしょう。
step4 配色/色決め
続いて、各パーツを塗る色を決めます。配色によってキャラクターの印象は大きく変わります。
アニメやゲームのキャラクターの場合、明るい性格のキャラは暖色系、クールな性格のキャラは寒色系の色を使う場合が多いですが、好みに合わせて決めましょう。
step5 彩色/色塗り/仕上げ
髪、肌、服に基本の色(下塗りと呼ばれることもあります)を塗った後、光源の向きに合わせて影付けを行います。頭や腕などは、球や円柱のような簡単な立体に置き換えるイメージで、全体・パーツごとの明暗を決め、濃い影から塗ると良いでしょう。最後にグラデーションや、チーク、ハイライトなどを入れて仕上げます。
塗り方で差をつける
塗り方にも様々な種類があり、大きく印象が変わります。
デジタルの場合は
・テレビのような色合いが特徴のアニメ塗り
・女性らしく肌を柔らかく見せるギャルゲ塗り
など、さまざまな塗り方があるので色々なパターンを試して、自分好みの塗り方を見つけましょう。いかがでしたか?イラストを描いてみると、見るのとはまた違った楽しさがあるかもしれません。イグラデーションを使った塗りだったサンプルを、アニメ塗り風にした例。印象がグッと変わりました。ラストの描き方に正解はなく、画材やツール、塗り方などは人によって千差万別です。自分の好みを見つけてイラストを描いてみてくださいね。