こんにちは。
開発２部デザイナーHと、デザイナーTです。

今回はブログ記事用に”お題を元に二人がそれぞれにイラストを描くとどうなるのか”と話をもらったので、そちらに合わせて二人でイラストを描いてみました。
「それぞれが描くときにどんなことを考えながら描いて、その違いが出るのか見てみたい」とのことでしたので、各自の感想を交えて紹介してみたいと思います。

お題目

なかなか怖い企画となりましたが、まずは肝心のお題を決めていきたいと思います。
といっても当事者が決めてしまっては恣意的なものが入ってきますので、ここは思い切って何人かにいくつかの要素を決めてもらうことにしました。

▼要素①「ジャンル」

▼要素②「描くもの」

▼要素③「詳細」

▼要素④「テイスト」

以上の要素を5人のばらばらな人に送って完全にランダムに決めてみました。
その結果…

ということになりました。
双子の女の子というところまではイラスト的に映えそうで良いなと話していたのですが、中年の要素が入った瞬間にすべてが崩れ落ちました。

おそらく趣味で描くには一生選ばないであろうお題になってしまいましたが、これも良い練習だと思って頑張ってみようと思います。

制作過程

ラフ

デザイナーHの進行

※人に見せるラフとしては何も分からない物になっちゃってますが、こんなシルエットを作るまでにほかにいくつも没ができました。

いつもはラフを描く前にイメージを膨らませる資料を集めてアイデアをスケッチしているのですが、今回はそのラフが全然進みませんでした。
まず中年（４、５０代）を描いたことがないし描きたいとも特に思ってこなかったので…。
あまりに遅々としていて気も乗らないので明日から会社来なくなるかもと話していました。

なんとか形にはなりました。
暗い中で佇む要人の警護のベテランみたいなイメージです。
最初はなんとかモチベーションを保つために、中央に要人役の若いキャラクターでも添えようかと考えていたのですが、工数もあがるしメインは双子なのでそれを目立たせる構図がなかなか思い浮かばず四苦八苦した結果、とりあえず並べておけばそれっぽくなるかな…と苦い思いでこんな感じになりました。
最初は本当にどうなることやらと思っていましたが、このくらいの形が見えればあとはなんとかなりそうです。

中年女性の双子キャラって、参考を探してもなかなか見つからないんですよね…
かなり悩まれている様子でしたが、次にちらりと横目で見た時にはかっこいい女性二人が誕生していました。
お題もお題だったので、どういったものを描かれるのかワクワクでした。

デザイナーTの進行

「どうしよう…」と死ぬほど悩んだ結果、でかい妹(3ｍ級)と小柄な姉の仲良し双子になりました。
お寺の用心棒というイメージで、監視者という意味も込めてあちこちに目玉のデザインを入れてみました。
このラフまで辿り着くのにめちゃくちゃ時間かかってます。恐るべし…
妹のデカさを強調するために足元に犬を配置してみました。(犬流石にちっさすぎたのであとで修正してます)

↑ちなみに没ラフ

最初は俯瞰で描いてたのですが、妹のデカさを強調したかったのでボツにしちゃいました。
一応名前も決めてまして、デカい妹の方がラン(嵐)、小柄な姉の方がナギ(凪)です。

横目に変なものが見えたので勘弁してほしかったです。
発想の勝利。

中間

デザイナーTの進行

線画を整えて、ざっくり色分けをしていきます。
線画の太さは手前にくるところを太くしてみたりと、やや強弱に差をつけています。
わんこの大きさとポーズを修正しました。

立体感に気を付けつつ、各所塗りこんでいきます。
いい感じにデカい(確信)と思う絵になりました。

目に入る度に集中力が削がれます。

デザイナーHの進行

1枚絵ではなくヴィネットのようなイメージで作っていると聞いていたので、その辺はある程度合わせようかと思い表現を少し変えてみようと思います。

和風という内容が服装くらいにしかなかったので、思い切りイラストっぽく仕上げたほうが全体の雰囲気としても丁度いいかもしれません。
日輪のシルエットに日本画風と言いますか、端々が水墨のように滲んでいるとか元のイメージを利用しつつ水墨のイメージとも外れない白黒のテイストを基調に差し色として鮮やかに色を入れたらそれっぽくなるかな、と考えながら整えていました。
完成形のイメージもしっかりしてきたので、あとは各要素を詰めるだけですね。

完成

デザイナーHの完成品

こんな感じになりました。
わかってはいましたが、年齢などの描き分けは本当に難しいですね。
練習不足が身に沁みましたが、その経験や背景の表現などもあわせて結構おもしろかったです。
竹のシルエットなどで霞んでいる部分や、濡れて滲んでいるような表現、あとはキャラクターなどもそうですがカスタムブラシの練習にもなったので、今後もいろんな表現方法を練習していきたいなと思います。
あとこの直前までモンスターのイラストを描いていたので、途中までちょっと塗り方が引っ張られました…。

墨が滲むような表現が入るとかなりアーティスティックになりますね。
なんかめっちゃかっこいいの描いててずるいなってずっと思ってました。

デザイナーTの完成品

最後にエフェクトを入れたり遠近を出すためのもやを追加したりして、完成です。
非常に難解なお題でしたが、なんとか描き上げることができました…。
弊社デザイナーHさんにも指摘いただいたことなのですが、手癖で描いてしまっている部分が浮き彫りになるな～と感じました。
言い方は悪いですが興味のないものだと余計になんとなくで進めてしまうな…と。
まだまだ自分の意識･技術不足を痛感しましたが、今回学んだことを吸収して次のステップへ繋げることができればと思います。
ちなみにこのお題に決まった時に咄嗟に柴犬をラフに放り込んだのですが、資料を見ながら癒されることができるのでおすすめですよ！猫でも可！

よくこれを最後まで心が折れずに描きあげたな…と素直に称賛します。
普段は素材アイテムのアイコンなどを描いてもらっているのですが、こういったものは業務で担当する機会がないためよい練習になったのではないでしょうか。（お題はどうあれ）
心なしか無機質な石畳や、かわいい犬とその他で手の込みように差がある気がしますが気づかなかったことにします。

以上になります。

今更になりますが、二人とも現在デザイナーH・Tともにメインの業務はエフェクトデザイナーを担当しておりましてバナーやアイテムアイコンなどを担当することはあってもこういったイラスト業務に携わることは滅多にありません。
手の空いている時間に基礎練習としていろいろと取り組んでみているところですので、生暖かく見守っていただければと思います。

それでは最後までご覧くださりありがとうございました。