■お客様は神様?
「日本人客はお断り」―。沖縄県石垣市内にあるラーメン店の一つが1日から、観光客や地元客を含む日本人客の入店を制限している。理由はマナーの悪さ。食品を持ち込んだり長居したり、席を余分に取ったり。1人で切り盛りする店主の男性(42)は「日本では『お客さまは神様』とされ、客自身もそう思っているが、そうなのか。金を払えばいいというのはおかしい」と話している。制限は9月末までを予定。
店舗はカウンターのみの全8席。1人に付き1杯を提供しないともうけが出ないため、約3年前から入り口の扉や券売機に「1人1杯」の順守や、乳幼児がいる家族連れの入店を断る張り紙をしていた。
■会員制も検討
だが日本人団体客の中に注文しない人がいたり、納得いかず悪態をついたりする客は逆に増えていった。近畿地方から来た子連れの夫婦は「近くの駐車場に300円払って来た」とアルバイトに不平をいい、「おまえたちはどんな商売をしているんだ」と声を荒らげて出て行ったという。
最後のアルバイトは接客を苦にして辞めた。店主は「重い負担は掛けられない」と1人勤務を続けている。
一方、客の半分を占める外国人観光客のマナーは対照的に良くなっているという。店主は「マナーが悪い日本人客が来なくなればストレスもなくなる。日本人客は会員制にすることも考えている」と話した。