西武高橋光成投手(27)と対する打者は、左肘に目が行くことだろう。

14日、岩手・花巻市で師匠格のエンゼルス菊池雄星投手(33)がプロデュースした野球複合施設「King of the Hill(KOH)」での自主トレを報道陣に公開。新フォームで腕を振った。

1月半ばにしてすでに打撃投手も務め「すごく順調」と今を表現する。屈辱の昨季0勝11敗からの逆襲。パワフルな右腕は、投手の命ともいえる投球フォームを変えた。左足を上げ始める前からすでに、左手をたたみ、肘を顔の高さで打者側に突き出す。その結果、口元も自身のブランドDK3のグラブで隠れる。

これまでは伸ばしていた左手をたたんだ。「左手を伸ばしすぎると手が長い分、扱うのが難しいと思う。なるべく重心に近い位置で並進運動した方がスムーズですし」。力感の強まる場所を探し、ほぼ落ち着いた。エースとされながら、球速も制球も思うようにいかずに失墜した。動作解析もできる同施設で「無駄な動きを省いていきたい」と全てを見直す冬だ。

雪が降り、施設には1メートル級のつららも垂れる。「細かい地味な動作をやるので、イライラしながら毎日やってます」。土台固めは誰しも楽しくはない。それでも菊池らに助言を受けながら復権へ。目指すところは「一瞬一瞬に集中して、最後、笑って終わりたいです」とガッチガチに固まっている。苦しくても惑わずに、新たなる高橋光成を築き上げる。【金子真仁】

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