12月から1月にかけて、高校世代の各球技の全国大会が一気に開催された。主なところでは私も高校時代にプレーしたラグビーや、サッカー、バスケットボール、バレーボールが「冬の風物詩」として各地で熱戦を繰り広げた。
共通点はいずれも1会場のみではなく、複数会場で行われていることだ。ラグビーは花園ラグビー場のメインの通称第1グラウンドだけでなく、大会序盤では隣接する第2、3グラウンドも使用する。ラグビー以外の3つの競技も複数会場でゲームが同時進行され、それは例年通りで特に違和感もない。
その中で高校野球は春のセンバツ、夏の甲子園、秋の明治神宮大会と1つの球場で実施される。これが伝統であり、世間にも認知されている。他のスポーツは大会を効率よく進めていくために複数球場での開催は必須となっているが、「聖地」と呼ばれる場所でプレーすることは特別感があり、格別だろう。
昨今、高校野球では夏の酷暑対策や障害予防の観点から変革への動きが進んでいる。甲子園大会もいずれは複数球場での実施が余儀なくされる可能性も十分に考えられる。「聖地」で全国大会を継続していくためにも、日本高野連で近未来での導入が検討されている「7イニング制」や「DH制」などを取り入れる必要があるのかもしれない。伝統を守り抜くためにも、変化は欠かせないだろう。【アマチュア野球担当=古財稜明】