中日井上一樹監督(53)がドラフト1位金丸夢斗投手(21=関大)にうれしい悲鳴を上げた。新入団選手8人が11日、ナゴヤ球場で新人合同自主トレをスタート。腰痛明けの金丸は一部別メニュー発進となったが、キャッチボールを目前で見た指揮官の表情が変わった。「球の回転、ラインがいい。いい球筋をしている。本人は『もう何の問題もございません』っていうような話だった」と目を細めた。

金丸は昨年5月に腰の骨挫傷を発症。井上監督は10月のドラフト直後の指名あいさつ時に「まだ故障中という形で俺は見るから、慌てるな」と金丸に伝え、金の卵に2軍キャンプでのスロー調整を示唆していた。この日はダッシュ系のトレーニングこそ外れたが、ポール間走など、キャッチボールを含め腰の不安なく消化。「(1、2軍の)どっちがベストなのか。1軍キャンプでスタートさせることは、望んでいるし、彼を焦らせてしまうところもある。ブルペンに入れなかったとしても、空気感で過ごさせることも大事。もう1週間ぐらいコーチの報告を受けて決めます」。好仕上げを目の当たりにし、キャンプ1軍スタートの可能性を明かした。

入寮後初の屋外キャッチボールで約60球を投じた左腕は「別メニューだったけど、本当に状態はとてもいい」と笑顔。「無理をせずにできることをしっかりとやって、自分の持ち味を存分にアピールしてシーズンを迎えたい」と表情を引き締めた。アマNO・1左腕が、指揮官にうれしい悩みを届けた。【伊東大介】

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