「国会議員は国会審議を通じて政府の疑惑を追及するのが仕事だ。官邸に押しかけるなんてトンチンカン極まりない。しかも、党内では“二重国籍の問題もあり、蓮舫代表では次の国政選挙は戦えない”と思っている議員たちがいて、このままではまた内紛ですよ」
「敗北主義」は執行部側も同じだ。こちらは蓮舫代表の「後見人」とされる野田佳彦・幹事長が都議選告示前から「あらゆる選挙の責任は幹事長にある」と発言し、都議選に惨敗しても代表に責任は及ばないと予防線を張ったが、もはや蓮舫氏の求心力はゼロだ。
◆「前原じゃダメ」
民進党内で次期代表として有力視されているのが前原氏だ。本人も都議選告示日前の6月16日には日本記者クラブでの会見。でアベノミクスに対抗する“政権構想”を発表した。柱は、教育無償化や奨学金拡大と、そのための国民負担を求める生活保障と税の一体改革、すなわち増税路線であり、「安心できる社会の実現にはこの道以外にはない」と訴えた。
ところが、新聞・テレビはほとんど報じなかった。党内からは、「前原さんより前川(喜平・前文科事務次官)さんを代表に」という声まであがっている。民進党の阿部知子・代議士が語る。