iPhoneはスペックが高いスマホとして知られていますが、場合によっては動作が遅い・重いと感じることもあります。
長年使っているiPhoneであれば、端末が古くなったことによる性能不足が原因であることも多いですが、それ以外の原因がある場合、ちょっとした対策で改善できることも少なくありません。
本記事ではiPhoneが重いときの原因や対処法を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
iPhoneが「重い」とは?
iPhoneの動作が遅くなっていることを「重い」と言います。
重いと感じるときはさまざまで、例えばWEBページをスクロールしている時にカクカクした動きになったり、ゲームをプレイしている時に画面が動かなくなったりします。
重くなる原因は基本的にはiPhoneの性能がアプリなどが要求している性能に追いついていないためです。
そのため負荷の大きい動作をする際は、iPhoneがある程度重くなってしまうのは仕方ないといえます。
ですが、WEBページや動画を閲覧しているだけで重いと感じる場合は、別の原因が発生しているかもしれません。
正確な原因が分かれば対処によって軽くすることも可能なので、まずは考えられる原因とその対処法を正しく理解しておきましょう!
iPhoneが重いと感じる原因
iPhoneが重いと感じる主な原因は以下の通りです。
- メモリが足りない
- ストレージ容量が足りない
- 端末が古くなっている(性能が足りない)
- バッテリーが劣化している
- 本体が過熱している
- キャッシュが溜まっている
- 視覚効果設定がオンになっている
- インターネット接続が安定していない
- アプリの反応が悪い
原因を把握して、正しく対処をしましょう。
メモリが足りない
メモリが足りていないとiPhoneは重くなります。
メモリとは、簡単に言えばiPhoneで同時に動作ができる容量のことです。アプリを起動しているとメモリを圧迫してしまい、メモリの許容量を超えると動作が極端に悪くなります。
音楽を流しながらほかの作業をしたり、YouTubeをピクチャ・イン・ピクチャ(小窓)にした状態でほかの作業をするなど、複数のアプリを同時に動かすとメモリを圧迫しやすいので注意しましょう。
また画面分割アプリなどを利用した場合もメモリを圧迫しやすくなります。
ストレージ容量が足りない
ストレージ容量が足りていない場合も、動作が重くなる可能性があります。
ストレージ容量とは、本体の中にデータを保存できる容量のことです。iPhoneは購入時に128GBや256GBなどのストレージ容量を選べますが、購入後にストレージ容量を増やすことはできません。
ちなみにストレージ自体は音楽や画像などを保存する場所なので、iPhoneの動作スピードに直接的な関係はありません。
ですが、容量が一杯だとアプリを更新できなくなったり、動作を早くするために必要な一時データを保存できなくなったりします。
簡単に言えば、iPhoneが最適な状態を維持できなくなるということです。
特に決まりがあるわけではありませんが、ストレージは常に3~5GB程度は空けておいた方が、アプリの更新や一時データの保存などがスムーズに行えるでしょう。
なお、ストレージ容量は「設定」→「一般」→「ストレージ容量」で確認できます。
端末が古くなっている(性能が足りない)
端末が古い場合も動作は重くなります。これは古いiPhoneの性能が最新のアプリが要求している性能を満たしていないためです。
特にゲームなどのアプリは、高画質化などによって、要求される性能が年々高くなっています。
数世代前のiPhoneだと、最新ゲームアプリを快適に動かすのが難しい場合があるので注意しましょう。
バッテリーが劣化している
バッテリーの劣化によってiPhoneが重いと感じることもあります。劣化したバッテリーはiPhoneへの電源供給に影響を与えることがあり、それに伴って動作が重くなるのです。
「設定」→「バッテリー」からバッテリーの状態を確認してみましょう。
最大容量が80パーセントを下回っている場合は、バッテリーの経年劣化が進んでおり、性能の低下が考えられます。
ほかにもバッテリーに何かしらの異常がある場合は、この設定画面にて確認できるので一度チェックしてみてください。
本体が過熱している
iPhone本体が熱を持ちすぎると、iPhoneの性能が制限されて動作が重くなります。これはiPhoneがこれ以上加熱し、熱によって故障することがないようにするための防衛的な措置です。
過熱状態のままiPhoneを動作させ続けると、発煙や発火の恐れもあるため注意しましょう。
キャッシュが溜まっている
キャッシュが溜まることでアプリの動作が遅くなることもあります。
キャッシュとは簡単に言えば、アプリやブラウザなどに保存される一時的なデータのことです。
キャッシュは本来、アプリやブラウザをさらに便利に動作させるために利用されます。ですが定期的に削除しなければ次第に容量を圧迫してしまい、結果として動作が遅くなるため要注意です。
視覚効果設定がオンになっている
視覚効果(視差効果)設定もiPhoneの動作に影響を与えます。
視覚効果とは、簡単に言えばiPhoneの壁紙やアニメーション、エフェクトなどをよりリアルに表現するための機能です。
ちなみに視覚効果設定は標準でオンになっているため、特にスペックが低めの古いiPhoneを使っている場合は注意が必要です。
インターネット接続が安定していない
インターネットの接続が安定していないのも原因のひとつです。
iPhone自体の動作は通常通りなのですが、ネットに繋がらないことで、「画面が動かない=重い」と感じます。
Wi-Fiに接続していないのならモバイルネットワークが、Wi-Fiに接続しているのならルーターやインターネット回線などが原因である可能性が高いです。
アプリの反応が悪い
アプリの反応が悪いという原因も考えられます。
こちらもiPhone自体に問題はなく、アプリ側にエラーがあったり、サーバーが混雑したりして動作が重くなっていることが多いです。
アプリに原因がある場合は、アプリ側が修正・対応するのを待つことになります。
iPhoneが重いときの対処法
iPhoneが重いときの対処法は以下の通りです。
- 再起動する
- アプリを再起動する
- 使っていないアプリを削除する
- 写真などのデータを削除する
- キャッシュクリアする
- 本体を冷ます(休ませる)
- 視覚効果設定をオフにする
どの対処もすぐに行えるので、原因がわからない場合はすべて試してみるのも一つの手です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
再起動する
まずはiPhoneを再起動しましょう。
iPhoneを再起動することで、バックグラウンドで作動しているアプリを終了することができます。つまり、メモリの圧迫を解消できます。
また「重い」以外の不具合が発生している場合なども、再起動をすることで解消される可能性があります。
簡単ですぐにできる対処なので、iPhoneが重いと感じたらまずは再起動を試してみてください。
アプリを再起動・終了する
アプリを個別に再起動・終了するのも一つの手です。
アプリに一時的な問題が発生していたり、複数のアプリが動作したりしてメモリが圧迫されている場合は、アプリの再起動や終了が効果的です。
起動している、もしくは最近起動したアプリは「画面下からスワイプをして途中で止める」ことで表示できます。
iPhoneSEなどホームボタンがあるモデルなら、ホームボタンを素早く2回押すことで表示できます。
起動中のアプリが表示されたら、削除したいアプリを画面中央に表示させて、上へスワイプしましょう。
これでアプリが終了します。
再度アプリを使用する場合は、通常通りホーム画面などからアプリをタップするだけです。
使っていないアプリを削除する
使っていないアプリそのものを削除するのも有効です。
iPhoneはストレージ容量が一杯になると動作が重くなりますが、使ってないアプリを削除することでストレージ容量に余裕が生まれます。
アプリの削除は、ホーム画面でアプリを長押しして「Appを削除」で行えます。
写真などのデータを削除する
ストレージ容量の確保は、写真などのデータを削除することでも対応できます。
方法は「写真」から削除したい写真を長押しして「削除」をタップするだけです。
iPhoneのストレージを最適化する
上記の方法で写真を削除すると、iPhone本体だけでなくiCloudからも写真が消えてしまいます。もし写真を残したままストレージ容量を確保したいなら、「iPhoneのストレージを最適化」を活用しましょう。
「iPhoneのストレージを最適化」とは、簡単に言えばiPhone内にある写真の容量を節約できる設定です。
「設定」→「ユーザー名」→「iCloud」→「写真」から、「この iPhone を同期」をオンにすることで、「iPhoneのストレージを最適化」が行えるようになります。
ただし、iCloudの容量がiPhoneに保存されている写真の容量よりも大きくなければ、同期をオンにすることはできません。
iCloudを無料プランで利用している場合は、5GB分の写真しか保存できず、節約できる量もわずかなので注意しましょう。
キャッシュクリアする
キャッシュが溜まりすぎている場合は、キャッシュクリアをすることで動作の改善が見込めます。
キャッシュはアプリごとに貯まるため、重たいアプリのキャッシュを削除しましょう。たとえばSafariが重たくなっているなら、Safariのキャッシュを削除するといった具合です。
なおSafariのキャッシュは「設定」→「Safari」→「履歴とWEBサイトデータを消去」から削除できます。
アプリごとに削除方法は違うので、詳細は「アプリ名 キャッシュ削除」で検索をして調べてみてください。
なお、ほとんどのアプリは「アプリの削除」→「再インストール」をすることで、キャッシュを削除できます。キャッシュ削除方法がわからない場合は、アプリの再インストールを試してみましょう。
本体を冷ます(休ませる)
本体が過熱しているのが原因なら、本体を冷ましましょう。
基本的にはそのままiPhoneを触らずに放置をしておけば、自然に放熱されていきます。
なお、充電をしていると熱がこもってしまうので、冷ましている最中の充電は避けてください。また、夏場は日の当たる場所に放置するのは避けましょう。
もしiPhoneを放置しても本体が過熱したままなら、iPhoneの電源をオフにしてから冷ましてみてください。
視覚効果設定をオフにする
視覚効果(視差効果)設定によって動作が重くなっているなら、機能をオフにしましょう。
最近の機種の場合、視覚効果設定のオン・オフで目に見えるほどの変化を感じることはほぼありませんが、たとえわずかでも、動作を軽くするのにプラスになることは間違いありません。
少しでも動作を軽くしたいのなら設定をオフにしておきましょう。
「設定」→「アクセシビリティ」→「動作」から設定の変更ができます。
インターネット接続を見直す
インターネット接続が安定していないなら、接続を見直しましょう。
日常的に接続が安定しないないなら、スマホ回線や家の回線を変更するのも一つの手です。
一時的にネット接続が不安定になっているのなら、モバイルネットワークやWi-Fiを接続しなおすことで、改善される可能性があります。
スマホ回線の調子が悪いなら「設定」→「モバイル通信」からモバイルデータ通信を一度オフにして、再度接続しましょう。
Wi-Fiの調子が悪いなら「設定」→「Wi-Fi」からWi-Fiを一度オフにして、同じように再度接続しましょう。
Wi-Fiはルーター側に不具合が発生している可能性もあるので、ルーターの再起動も試してください。
まとめ
iPhoneの動作が遅い・重い原因はさまざまあります。
端末が古くなったことによる性能不足が原因であれば新しいiPhoneを購入しなければ解決しませんが、それ以外の原因ならちょっとした対処で解決する場合も多いです。
正しく原因を解明して、快適にiPhoneを使いましょう。