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マイレージ特典航空券最大のリスク「航空会社都合によるフライトキャンセル」とは?実際の体験を元に徹底解説【陸マイラーの落とし穴】

マイレージ特典航空券は、通常の航空券と比べてお得に海外旅行ができる魅力的な選択肢です。航空会社のマイレージプログラムを活用することで、時には数十万円もする航空券を無料もしくは少額の支払いで手に入れることができます。しかし、その一方で見過ごすことのできない重大なリスクが存在します。今回は、私自身がJALマイルを使用した提携航空会社特典航空券で経験した2つのケースを基に、特典航空券利用時の最大のリスク「航空会社都合によるフライトキャンセル」について詳しく解説していきます。

航空会社都合によるフライトキャンセルとは

航空会社都合によるフライトキャンセルとは、航空会社の判断により予定されていた便が運航中止となることを指します。これは特定の航空会社に限った話ではなく、世界中のあらゆる航空会社で起こり得る事態です。様々な要因で発生する可能性があり、航空会社の経営判断による路線の見直し、搭乗率の低さによる運航取り止め、機材繰りの都合、天候不良など、その理由は多岐にわたります。

一般的な航空券の場合、航空会社都合によるフライトキャンセルが発生すると、航空会社は代替便の手配や払い戻しなどの対応を行います。多くの場合、他の便への振り替えや、場合によっては他社便の利用も含めた代替手段が提示されます。

しかし、特典航空券を利用している場合、状況は大きく異なります。航空会社を問わず、特典航空券での予約可能座席数は一般的な航空券と比べて著しく制限されています。そのため、代替便の手配においてもより困難な状況に直面する可能性が高くなります。特に、ハイシーズンやビジネス需要の多い路線では、代替便に特典航空券枠の空席を見つけることは極めて困難です。

実際の経験から学ぶ航空会社都合のフライトキャンセルの実態

ここでは、私自身がJALマイルを使用した提携航空会社特典航空券で経験した2つのケースを紹介します。これらの経験は特定の航空会社での出来事ですが、同様の状況は他の航空会社の特典航空券利用時にも起こり得るものです。

比較的スムーズな対応例

1つ目の経験は、カタール航空のリヤド⇒ドーハ経由仁川便でした。出発の約1ヶ月前、突如として航空会社からメールが届き、予定していたリヤド⇒ドーハ間の最終便が航空会社都合で運航中止となったことを知らされました。この運航中止は、おそらく搭乗率が見込めなかったことが理由だったと推測されます。

幸いなことに、このルートは1日に複数便が運航されており、早い時間帯の便に特典航空券の空席が残っていました。そのため、予約センター経由での航空会社との交渉もスムーズに進み、代替便への振替が可能となりました。当初の旅程とは異なることになり、現地での活動時間に影響が出るなど、若干の不便は伴いましたが、旅行自体を断念せざるを得ないような深刻な事態は避けることができました。

最悪のシナリオ

2つ目の経験は、より深刻な事態となった中国東方航空のイスタンブール⇒上海経由名古屋便でした。出発のわずか2週間前、予約センターからの不在着信で初めて事態を知ることとなりました。電話での予約だったためか、重要な連絡がメールではなく電話でなされたことも問題でした。もし不在着信に気付かず、折り返しの電話をしていなければ、その後の対応が放置される可能性すらありました。

さらに深刻だったのは、この便がハイシーズン時期だったことです。予約センターを通じて前後数日間の代替便を探しましたが、特典航空券枠に空きはなく、振替利用が完全に不可能な状況でした。結果として、往路便を含む全旅程をキャンセルせざるを得ませんでした。ホテルの予約や現地でのアクティビティなど、関連する予約全てに影響が及び、大きな損失となりました。

航空会社都合のフライトキャンセルのリスクを最小限に抑えるために

これらの経験から、特典航空券を利用する際の重要な教訓が得られました。まず、航空会社を問わず、特典航空券は一般航空券と比べて予約可能座席数が著しく制限されているという特徴があります。そのため、航空会社都合でフライトがキャンセルされた際に代替便に振り替えてもらえる可能性が通常より大幅に低くなります。このリスクは特にハイシーズンにおいて顕著となります。

また、予約日から渡航日までの期間が長ければ長いほど、航空会社都合によるフライトキャンセルのリスクは増大します。航空会社の経営判断や路線計画の変更などにより、数ヶ月先の便が突然運航中止となるケースは珍しくありません。そのため、特典航空券を利用する場合は、可能な限り渡航日に近い時期での予約を検討することをお勧めします。

さらに、航空会社からの連絡手段や連絡頻度は各社によって大きく異なります。メールでの通知が基本の航空会社もあれば、電話での連絡を優先する航空会社もあります。予約時に連絡先情報を正確に提供し、航空会社からの連絡を見逃さないよう注意を払うことが重要です。

まとめ

マイレージ特典航空券は、上手く活用すれば素晴らしい旅の機会を提供してくれます。しかし、航空会社都合によるフライトキャンセルという重大なリスクが存在することを忘れてはいけません。航空会社を問わず、代替便の確保が困難であること、予約時期によってリスクが変動すること、航空会社とのコミュニケーションの重要性など、これらの要素を十分に理解した上で利用することが賢明です。

特典航空券を利用する際は、できるだけ直前予約を心がけ、航空会社からの連絡には迅速に対応できる体制を整えておくことをお勧めします。また、重要な予定や他の旅行手配が関連する場合は、代替手段の確保や旅行保険の検討など、万が一の事態に備えた準備をしておくことも有効な対策となるでしょう。