兵庫県三田市内でクマの目撃情報が相次いだ。5日は県立有馬富士公園(三田市福島)内で、10日には北西約2キロの同市加茂の栗園で目撃された。いずれも1頭で子どもと推測され、近くに親がいる可能性がある。ハイキングやキノコ狩りなど秋の行楽シーズンを迎え、市が注意を促している。
市農村整備課によると、5日午前11時20分ごろ、同公園内の第1、第2駐車場を結ぶ「ありまふじ橋」付近で目撃され、西側の山に向かっていったという。目撃者が撮影した画像から、体長50センチ未満で子グマの可能性が高いと判断した。
10日午前10時40分ごろには、栗園の所有者が10メートル近く離れた場所にいるクマを目撃した。子グマとみられ、すぐに北東に去っていったという。体長約50センチで、市は「2件は同じクマの可能性がある」とする。
市は公式LINE(ライン)で市民に情報を周知し、周辺住民には回覧でも注意喚起した。対策として、山林に行くときはラジオや鈴など音の出るものを携行する▽クマが人里に出没する可能性がある夕方から早朝の外出に注意▽不要な柿の木の伐採や早めの実の収穫-などを挙げている。
本格的な紅葉シーズンも近づき、同課の榎本英樹課長は「秋は山を訪れる機会が多くなる。クマに遭遇したら刺激を与えず山に帰して」と話す。食害の痕跡や足跡を見つけた場合は市への通報を呼びかけている。同課TEL079・559・5090
(橋本 薫、尾仲由莉)