環境コミュニケーションの推進
キッコーマングループは、コーポレートレポートや環境保全活動事例集などを公表することを通して、ステークホルダーとの情報共有に努めています。また、国・地方の行政機関・教育機関・業界・関連団体と連携・協働し、長年の企業活動で培ったグループ内の情報、技術、経験を広く地球社会の環境保全活動に役立てるように努めています。
1)もの知りしょうゆ館での環境保全活動展示
キッコーマン食品のしょうゆ製造工程を展示している「もの知りしょうゆ館」の一角に、キッコーマングループの環境活動をまとめたパネルを常設展示しています。
2)鉢植えの配布
キッコーマングループでは、工場から排出される排水を併設の処理施設にて浄化処理し、処理後に放流する河川などの汚染防止に万全の注意を払っています。
キッコーマン食品野田工場および流山キッコーマンでは、この排水処理施設での浄化処理過程で発生する汚泥(おでい:泥状の沈殿物や浮遊物)のすべてを処理業者に委ねて発酵肥料化させ、農家などに提供しています。
この発酵肥料で育てられた花の鉢植えに、「鉢植えに用いられた肥料が汚泥から製造されたものであること」、「汚泥でも廃棄せずに再資源化することで有効活用できること」などが分かる図表やラベルを添付して、近隣の市役所、商工会議所、商店街などに配布し、「循環型社会を目指すことの重要性」を一層意識していただけるように努めています。
2024年7月、キッコーマンは、活性汚泥を活用したベゴニアを寄贈したことにより、流山市長から感謝状をいただきました。このベゴニアは流山市内のケアセンターや福祉会館に飾られ、活気あるみどりのまちに彩りを添えています。
2023年5月、野田商工会のご協力を得て商工会会員の皆様にベゴニアの鉢花をお届けすることになり、茂木会頭に環境部長と処理業者代表が汚泥肥料の説明をしました。
2023年6月、キッコーマンは野田商工会議所女性会が主催する「子供たちと作る 花プロジェクト」に発酵肥料で育てられた花を提供しました。このプロジェクトは、子供たちが自分たちの手で花を植えることで、土に触れ、植物を大切にする心を養い、楽しみながら自然やSDGsに関心を持っていただくとともに、体験活動を通して新たな視野を広げ、環境保全の意識向上につなげるというものです。
2022年7月には、キッコーマンバイオケミファ鴨川プラントが汚泥たい肥で育成したベゴニア200本を鴨川市に寄贈し、長谷川市長から「素晴らしい取り組みです。花のあるまちづくりに寄与していただきありがとうございます」と感謝の言葉をいただきました。ベゴニアは同市市役所の花壇に移植され、鴨川市の皆様の目を楽しませています。
3)クリーン作戦(地域の清掃活動)
キッコーマングループの各事業所では、社員たちが毎年、定期的に、また近隣の団体の方々とも協働で、事業所所在地区でのクリーン作戦(ごみ拾いや清掃活動)を実施しています。キッコーマン環境部(千葉県野田市)は2023年5月、「江戸川を守る会」開催の「江戸川クリーン大作戦」に参加し、地域の方々と一緒に、江戸川河川敷でごみ拾いなどの清掃活動を実施しました。
4)教員民間企業研修
キッコーマングループは、2002年から主に東京都内の小・中学校の教職員15人程度を受け入れ、キッコーマンの人事・教育制度、CSRや環境への取り組み、食育活動などの企業活動を紹介する講義と体験学習で構成される、2 ~ 3日間の研修を実施しています。
環境部は環境教育講座「環境への取り組み」を担当し、
①地球上で起きているさまざまな環境問題と、そうした問題に対する世界的な取り組み
②企業における環境経営の重要性
③キッコーマングループの環境方針、管理体制、実際の環境保全活動
などを説明しました。
5)ウェザーニューズ気候変動対策フォーラム登壇
2024年4月、株式会社ウェザーニューズによる「第1回気候変動対策フォーラム」が開催されました。
このフォーラムは、企業における物理的リスク影響分析(洪水・高潮等)や、TNFDに関連した水リスクの分析など、リスクの定量化の支援をおこなっている株式会社ウェザーニューズが、気候変動関連の情報開示に取り組んでいる企業を対象としたものです。
キッコーマンからは環境部長が登壇し、当社のサステナビリティの取り組みや情報開示事例について紹介するとともに、パネルディスカッションにおいて参加者の皆様と共に『物理的リスクの定量分析の課題』の解決に向けたアイデアや戦略をディスカッションしました。
関連団体との連携・協働
キッコーマンは、食品産業センター・サステナビリティ委員会、千葉県環境保全協議会、PETボトルリサイクル推進協議会、ガラスびん3R促進協議会、日本容器包装リサイクル協会PETボトル事業委員会、生物多様性ちば企業ネットワーク などの企業会員として、多方面にわたって環境保全活動の推進に努めています。
1)JCLPに賛助会員として加盟
キッコーマングループは、2015年5月から、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)に加盟しています。JCLPは、持続可能な脱炭素社会の実現には「産業界が健全な危機感を持ち、自立的かつ積極的な行動を開始するべきである」という認識の下に、個別企業の枠を超えた、さまざまな産・産、産・官・学連携活動を推し進めるために、2009年7月に設立された日本独自の企業グループで、産・官・学での情報交換と共有化、協働の推進、RE100やEP100、EV100、再エネ100 宣言 RE Actionの運営などの他、たとえばパリ協定に基づく長期成長戦略など、さまざまな政策への提言も行っています。
2)「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の日本プロジェクトに参加
また、キッコーマン食品は、2019年に、イオン株式会社が参画する「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の日本プロジェクトに参加することを決定しました。世界では、約8億人(世界の人口の9人に1人)が栄養不足の状態にあるとされる一方で、人間が消費するために生産された食料の1/3に当たる、年間約13億tにも及ぶ食料が、「まだ食べられるのに廃棄に回されてしまう」、いわゆる「食品ロス(フードロス)」問題が起きています。日本でも、2016年度に国内で出された食品廃棄物2759万tのうち、食品ロス(フードロス)は643万t(うち、メーカー、卸・小売、外食などの事業系が352万t、家庭系が291万t)にものぼり、この量は国連世界食糧計画(WFP)が貧困や飢餓に直面している国々に支援している食糧の約1.7倍にも相当します。
「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」は、地球環境と開発に関する政策研究・技術開発を行う米国の非営利のシンクタンク「世界資源研究所(World Resources Institute(WRI))」の呼びかけで進められるイニシアティブで、世界の大手小売業『10』社がそれぞれのサプライヤー『20』社とともに、20『30』年までにサプライチェーン全体で食品廃棄物の半減を目指すという取り組みです。この国際的なイニシアティブの2019年9月発足を受けて、日本ではイオン株式会社がWRIの承認の下、キッコーマン食品を含む食品メーカー(サプライヤー)21社と協働で、食品廃棄物の半減に向けて活動(プロジェクト)を開始しました。
3)「CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)」に参加
2021年9月、当社環境ビジョンの活動に資する海洋プラスチック問題への取り組み、プラスチック材料の3R、環境負荷の低いプラスチックの開発、実用化の進捗状況を把握するため、「CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)」に参加しました。
4)「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)」に参加
2021年9月、気候変動に対する取り組みとして、地球温暖化抑制、温室効果ガス削減の目標達成に向け、JCI(JAPAN CLIMATE INITIATIVE 気候変動イニシアティブ)に参加しました。
5)「マリン・エコラベル・ジャパン協議会(MEL)」に正会員として参加
2023年6月、「日本の多様な自然、魚種、漁法、加工や流通、多彩な魚食文化を守るとともに、強みとして日本と世界の人々の健康で豊かな生活のためにお役立ちする」という趣旨に賛同し、マリン・エコラベル・ジャパン協議会(MEL)に正会員として参加しました。
6)「関東農林水産関連企業環境対策協議会」に参加
「会員相互の緊密な連携を保ちつつ、環境保全・公害防止等に関する調査研究、情報交換及び研修等を行い、もって、農業関連企業の健全な発展と環境保全に努める」ことを目的とした団体です。1973年の結成以来、キッコーマンは会長あるいは副会長を歴任し、日本デルモンテも理事を担当しています。また、北海道地区、近畿地区においても同様の協議会に参加しています。
2023年6月から、キッコーマンの環境部長が、会長を務めています。
キッコーマングループ コーポレートレポート、環境保全活動事例集の公表
「キッコーマングループ コーポレートレポート」と「環境保全活動事例集」にキッコーマングループの環境保全活動をまとめ、WEB 上で公表しています。