横浜市水道局は16日の市会水道・交通委員会で、水道料金を平均10~12%程度、値上げする見通しを明らかにした。2021年4月の値上げを目指す。人口や料金収入が減少する一方、施設の維持・更新費が膨らむことが見込まれることから、市は事業費を平準化するため、次期中期経営計画期間(20~23年度)中から財源を確保したい考えだ。
給水管が20ミリ口径で1カ月の平均使用量が15立方メートルだと、値上げ後の料金は166~199円増額の1832~1865円(いずれも税別)になる。ただ改定率は口径や使用量に応じて異なる。市は9月の市会第3回定例会に関連議案を提出する際、詳細を公表する、としている。
委員会で、同局は今後10年間の事業費見込みと方向性について説明した。それによると、西谷浄水場の再整備や口径400ミリ以上の管路の更新・耐震化の事業費が大幅に増える影響で、年間の平均事業費は20~23年度で348億円、24~29年度で431億円に上る。市は18年度、水道料金の在り方を検討する審議会を設置。審議会は19年秋、「早期の料金体系の改善が必要」と答申した。これを踏まえ、市は値上げが必要と判断した。
値上げに併せ、一定の使用量まで定額とする現行制度を廃止するとともに、家事、業務、公衆浴場の用途別から、口径別の料金体系に移行する。1人暮らしの高齢者ら少量使用者の増加を踏まえ、多量使用者に依存していた料金体系を見直し、基本料金のうちの固定費の回収割合も高めるという。