群馬県草津町の黒岩信忠町長の名誉を毀損したとして元町議らの賠償責任を認めた東京高裁判決が確定したことについて、山本一太知事は12日の定例記者会見で、「うその情報を拡散したことに対し、怒りを禁じえない」と元町議らへの思いを語った。
知事は黒岩氏を「政治的盟友であり、長年の友人。嫌疑が晴れて本当によかった」とし、元町議の虚偽発言が「どれほど町長の尊厳を傷つけたか、どれほど(知事の)生まれ故郷のイメージを低下させたか。言葉に表せないくらい不愉快だ」と怒りをにじませた。
この件では疑惑が報じられた当初から事実のように語る有識者や報じるメディアの存在があったとして、「一部の人たちは一切謝っていない。人としてどうかと思う。事実が判明した後にも疑惑があるかのようなコメンテーターの発言もあり、本当に腹が立った」と力を込めた。
「町長は精神的に強いし論理的で、発信力もある人」と評しつつ、「普通の人なら報道されたら精神的に持たない。メディアやオピニオンリーダーにしっかり受け止めてほしい」として検証を求めた。
元町議に対しても「セクハラなど不当な扱いで苦しんでいる方々が、この事件の影響で発信しにくくなったかもしれない。元町議の罪は本当に重い」と断じた。
元町議は名誉毀損(きそん)、虚偽告訴の両罪で前橋地検に在宅起訴されており、今後審理される。