地方鉄道存続をかけた映画「電車を止めるな!」 高田世界館でトークショー付き上映

「ぬれ煎餅せんべい」や経営状況のまずさをかけた「まずい棒」といった食品販売など、あの手この手の赤字脱却策で知られる千葉県銚子市のローカル鉄道、銚子電鉄が制作した映画「電車を止めるな! ~呪いの6.4km~」が2020年9月26日、新潟県上越市本町6の高田世界館で上映される。上映後、ともに地方鉄道のアイデア社長として奮闘する同社の竹本勝紀社長と地元えちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長のトークショーも開催される。

銚子電鉄の車内で撮影された映画の一場面(銚子電鉄提供)
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銚子電鉄は銚子市内の銚子―外川間6.4kmを結ぶローカル鉄道。経営が厳しい地方の鉄路を守るための食品製造販売などの副業やユニークなイベント企画で知られ、今年6月にはトキ鉄とコラボして線路の石を缶詰にして販売し、話題を呼んだ。

映画制作は、もともとは老朽化した変電設備の大規模修繕の費用を興行収入でまかなおうと企画され、制作費の一部の500万円はクラウドファンディングで集めた。脚本の修正や撮り直しなどで計画より約1年遅れ、8月28日に公開にこぎつけた。

映画制作が行われる中、昨年の台風被害や新型コロナウイルスの影響で乗客が激減し、竹本社長自らが公式YouTubeチャンネル「激辛(げきつら)チャンネル」で「このままの状況が続くと年度末にはおそらく経営破綻であろう」と語るほど。映画は同社の起死回生をかけたものとなった。

映画「電車を止めるな!」の冒頭シーン

「電車屋なのに自転車操業」と得意の自虐ネタで始まる同作は、同社が経営難を打開するために企画した心霊電車で、実際に心霊現象が相次ぐというストーリーのホラーコメディ。笑いあり涙ありの「超C(銚子)級エンターテインメント」を標榜ひょうぼうする。地方鉄道存続の気運を高めようと、全国で会場を募集しながら上映を行っている。

高田世界館での上映は、旧知の知人の竹本社長と鳥塚社長のトークショー付き特別上映で、時間は午後4時30分から。料金はオリジナルプレゼント付きで大人2000円、中学生1200円、小学生1000円。鑑賞券は鑑賞後に銚子電鉄1日乗車券(弧廻こまわり手形)となる。定員は80人で、公式サイトで予約を受け付けている。

1日乗車券となっている「電車を止めるな!」の鑑賞券
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