ニセ警察官とビデオ通話し70万円だまし取られる 上越市の30代女性が被害

上越警察署は2024年12月28日、新潟県上越市の30代女性が特殊詐欺(オレオレ詐欺)の被害に遭い、現金70万円をだまし取られたと発表した。同署が被害届を受理し、捜査している。

発表などによると、12月27日午前9時45分頃、女性の携帯電話に「茨城県警の警察官」を名乗る男から「(女性)名義の金融機関の口座が犯罪に利用されています」などと電話があり、連絡手段としてメッセージアプリを指定された。アプリのビデオ通話機能を使って、同じ男から「特殊詐欺グループを捕まえたところ、(女性の)キャッシュカードが見つかった。その口座は特殊詐欺被害者から現金が振り込まれており、被害額は数千万円になった」などと言われた。

さらに担当者としてビデオ通話を代わった別の警察官を装う男から身分証のようなものを見せられた後、「(女性は)詐欺の共犯、資金洗浄の容疑者です。誰にも言ってはいけません」「犯罪に関与していないか銀行口座を調査する」「70万円を振り込んでください。関与がないと分かれば、全額返金される」などと言われ、女性はATMで指定された個人名の口座に70万円を振り込んでしまったという。

電話がかかってきてから振り込みが終わるまで、犯人は女性と通話を続けていた。振り込み後に通話が切れたため、女性が家族に相談して詐欺に気付いた。

同署は「警察官がメッセージアプリを使って捜査のやり取りとすることはない」として、注意を呼び掛けている。