大和上越店の人魚像、移設先決まる

保存運動が行われていた上越市本町4の旧大和上越店1階にある人魚像が、本町5のランドビル(旧やま江ビル)1階に移設されることが決まった。

人魚像は大和上越店(1975年開店)の建設に際し、同社内で「上越を象徴するようなものを設置したい」との声が上がり、地元の意見などを踏まえて同市出身の児童文学作家、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」にちなんで作られた。店舗1階に設置され、オープン当時は台座から噴水も出て人気を集めた。

旧大和上越店の人魚像(クリックで全体を表示)
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 2010年4月25日に大和上越店が閉店し、ビルの所有者は建物を取り壊すことを決めた。そのため、解体前に人魚像を「小川未明文学館」に移設しようと、高田文化協会、上越美術協会、小川未明顕彰委員会、本町3、4、5丁目の各商店街振興組合が、「移設・保存する会」を作って約165万円とみられる移設費用を集める活動を行ったが、募金額は約25万円にとどまった。また、高田区の地域協議会に2011年度の地域活動支援事業に137万5000円を申請したが採択されず、移設は暗礁に乗り上げていた。

宙に浮いた形の人魚像だが、高田文化協会が改めて見積もりを取ったところ、真野石材(上越市藤巻)が50万円で移設工事を引き受け、本町5のランドビルに設置許可も取れた。移設費は、募金の25万円に高田文化協会員や市民有志の寄付を加え、50万円を捻出した。

人魚像の取り外し工事は8月20日前後に行われ、台座と人魚像の設置が終わるのは9月末ごろとみられる。

大理石で造られた人魚像は貝殻の皿に乗り、さらには柱にも細かな彫刻がほどこされているが、移設されるのは人魚像と貝殻の皿だけとなる。

人魚像は高田文化協会が入居するランドビルの1階入り口脇に設置され、誰でも見ることができる。

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