小川未明の著作権切れ 大量に青空文庫へ

著作権が消滅した文学作品を収集・公開しているインターネット上の電子図書館「青空文庫」(http://www.aozora.gr.jp/)で、上越市が生んだ日本のアンデルセン、小川未明の作品が768点(2011年5月7日現在)も「作業中」になっている。未明は2011年5月11日に没後50年を迎えるが、同年12月31日まで著作権が有効であり、その後一斉に公開されるものとみられる。青空文庫には約1万点の作品が収録されているが、未明の作品が公開されると、宮本百合子の1157点に次ぎ、収録数で2番目となる。

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小川未明が亡くなったのは1961年(昭和36年)5月11日。著作権情報センターによると、著作権の起算点は死亡した年の翌年1月1日になるため、著作権が切れる丸50年が経過しても、死去した日から著作権が消滅するわけではないという。

「作業中」となっているのは、「赤い船」「赤いろうそくと人魚」「飴チョコの天使」「牛女」「金の輪」「月とあざらし」「月夜と眼鏡」「電信柱と妙な男」「野ばら」「雪くる前の高原の話」など、代表作をほとんど含んでいる。

未明は生涯、1200もの童話を書いたと言われ、すべてが電子化されると、宮本百合子を追い越す可能性も出てくる。

青空文庫はパソコンのほか、多くのPDA、電子ブックリーダー、スマートフォン、携帯電話などを使って無料で読むことができる。また、「青空文庫収録ファイルの取り扱い規準」に従いデータは自由に利用出来るため、電子書籍としてのほか、印刷して販売することもできる。

青空文庫で100点以上の作品が公開されている作家は次の通り。

(1)宮本百合子…1157
(2)小川未明…(768)*2012年1月1日以降公開
(3)岸田国士…539
(4)坂口安吾…438
(5)芥川龍之介…366
(6)豊島与志雄…330
(7)寺田寅彦…287
(8)太宰治…225
(9)田中貢太郎…198
(10)海野十三…172
(11)宮沢賢治…167
(12)夢野久作…153
(13)坂本龍馬…151
(14)牧野信一…148
(15)折口信夫…146
(16)森鴎外…123
(17)与謝野晶子…116
(18)岡本かの子…108
(19)新美南吉…104
(20)夏目漱石…102



【おわびと訂正】
 著作権についての記述に一部誤りがありましたので、おわびして訂正します。著作権の起算日は、死亡の年の翌年の1月1日になるため、著作権は2011年12月31日まで有効となります。
 該当する部分を書き直しました。

=川村=