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当期の経営成績の概況

当中間連結会計期間(2024年4月1日~ 2024年9月30日)における日本経済は、世界的な政情不安や急激な為替変動など、先行き不透明な状況が継続しております。さらに、原材料価格に加え人件費や物流コストの高騰に伴う値上げなどにより、実質賃金は上昇傾向も、消費者の生活防衛意識は定着しつつあります。このような事業環境のもと、当社グループでは、中期経営計画「VISION 2030 stage1」の最終年度にあたり、引き続き「新たな価値の創出」「資本コスト重視の経営」「企業体質の進化」「環境に配慮した経営」の4つの基本戦略への取り組みを進めました。
売上高は、素材関連が回復傾向にある機能ソリューション事業、新製品及び中国向けが拡大したメディカル事業が堅調に推移し、増収となりました。営業利益、経常利益、及び親会社株主に帰属する中間純利益は、アパレル事業が年初来の円安影響などを受けて減益に転じたものの、機能ソリューション事業、メディカル事業の利益拡大、及びスポーツクラブの構造改革などにより、全体では増益となりました。

今後の見通し

機能ソリューション事業では、プラスチックフィルム分野は環境対応型新商品の積極的な投入とともに、サーキュラーファクトリー(資源循環型工場)の本格稼働とサーキュラーメーカーへ変革するための基礎となるリサイクルセンター設置を進めてまいります。また、デジタル技術の横展開により生産革新を進める一方、米国・中国・アセアン等海外拡販を強化してまいります。エンジニアリングプラスチックス分野は、主力のOA市場向け製品のシェア拡大に加え、設備投資を含め健康・医療関連ならびに産業機器向け製品の拡販を図ってまいります。
メディカル事業では、事業基盤強化を目的とした組織再編を通じて、縫合補強材や人工皮膚等の増産体制を整えるとともに、米国・中国の販売強化・継続的な新商品開発により、事業拡大を加速させてまいります。
アパレル事業では、総合力による競争力向上を目的とした組織再編を通じて、消費行動変化に伴い伸長しているECチャネルや直営店舗のDtoCルートでの更なる拡販と他社とのコラボレーションを積極的に推進し、ライフスタイル分野への拡大、差異化新商品を通じたレディスインナーの拡販を図ってまいります。生産面ではオートメーション化とグローバル最適生産体制の構築によりコスト競争力の強化を図るとともに、国内主力工場にて再生可能エネルギーを使ったCO2排出量の実質ゼロ化と無人化ライン(一部)からなるネットゼロファクトリー計画を段階的に推進してまいります。
ライフクリエイト事業では、商業施設の収益力向上の推進や投資効率を重視した物件別管理を強化してまいります。グリーン分野では、大阪万博等への緑化需要の取り込みとCO2排出量削減に向け環境事業に積極的に取り組むとともに、スポーツクラブ分野は、スクール事業の拡大と地域・店舗特性に合わせた特長のあるサービス提供や新業態の開発に取り組んでまいります。
先行き不透明な状況が続きますが、グンゼにしかできない「ここちよさ」をお客様に提供し続け、持続可能な社会の実現に貢献いたします。 株主の皆さまには変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2024年12月

グンゼ株式会社
代表取締役社長signature