Polarの「Vantage M3」は心拍数をきれいに計測。そのメリットで活かせること

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Polarの「Vantage M3」は心拍数をきれいに計測。そのメリットで活かせること
Photo: 山田ちとら

美しくて、ストイック。

フィンランドのウェアラブルメーカー・Polar(ポラール)から、技術の粋を集めた最新マルチスポーツウォッチ「Vantage M3」(税込69,300円)が発売されたのは2024年10月30日。

その1週間後には個人的に購入し、それからひと月半ぐらい使い続けてきました。購入の決め手となったのは機能性の高さ・大きさ・美しさ。2年半愛用していた「Grit X Pro」よりも画面が見やすく、動作がキビキビしていて、コンパクトです。

こちらのカラーはゴールド・グレージュ。ナイトブラックもあります

初めて手に取ってみたとき、「なんて美しいスマートウォッチなんだろう」と思いました。このきらめくベゼルを見ただけで所有欲が刺激されたのが正直なところです。

もちろん、魅力はそれだけじゃないPolar Vantage M3。以下、偏愛に満ちたレビューをお届けします。

Polar Vantage M3

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これはなに?:ポラールのGPSマルチスポーツウォッチ

価格:69,300円(税込)

サイズ:幅44.7mm、高さ44.7mm、厚さ12.2mm

重量:53g(リストバンド含む)

バッテリー時間:スマートウォッチモードで7日間

好きなところ:美麗なデザイン。大きすぎず重すぎず、万人にフィットするサイズ感。週1程度の充電でOK。心拍数計測の精度が高く、ヘルスモニタリング機能ぜんぶのせ。有機ELディスプレイが見やすく、操作性バツグン。

好きじゃないところ:物理ボタンがやや押しにくい。

心拍数をきれいに取ってくれる

もともと心拍計メーカーであるポラールの強みはやはり心拍計測。精度の高い心拍数データと、そのデータを活用したトレーニング機能やヘルスモニタリング機能が充実しています。

Vantage M3の光学式心拍センサーに使われている多色LEDライトは、それぞれの光の波長に応じて異なる深さにある血管まで到達し、心拍数を計測しています。

さらに、最新のセンサーはLEDライト同士がお互い干渉しないように改良されているとのこと。これまでのセンサーと比較して心拍計測精度が10%~25%向上しているそうで、実際に使ってみたところ心拍数の変化を細やかに捉えることができていると感じました。

登ったり降りたり、走ったり歩いたりを繰り返すトレイルランニング時も、心拍数の急激な上昇や下降をきれいに取ってくれました。

心拍数トレーニングに使いやすい

ところで、心拍計測の精度が高いスマートウォッチにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ひとつはヘルスモニタリング機能の信頼性です。

Vantage M3のみならず大概のスマートウォッチは心拍数、そして心拍変動数(HRV)をベースとしたアルゴリズムに身長・体重・年齢などの基本データをかけ合わせ、健康に関わるさまざまな指数を計算しています。たとえばポラール製品であれば活動量、カロリー消費、トレーニング負荷や、睡眠・自律神経分析などですね。なので、もととなる心拍数データの精度が高ければ、それだけ各種の分析結果の精度も高くなる傾向にあります。

もうひとつのメリットは、心拍数トレーニングに使いやすいこと。

これに関してはポラールのブランドアンバサダーを務めるランニングインフルエンサー・三津家貴也さんがピンポイントな動画を公開されていますのでぜひどうぞ。

三津家さんによれば、ランニングなどの運動時に距離やペース以外にも心拍数を意識することで、より効率的に持久力と心肺機能を向上することができるそうです。

ここでカギとなるのは、自分の感覚だけに頼らずに、スマートウォッチから得られる科学的な根拠(=心拍数)をもとに体への負荷を可視化すること。

その点、Vantage M3を含むポラールウォッチは運動時の心拍数を5つのゾーンに分けて色別に表示してくれます。

心拍ゾーンは最大心拍数の割合で設定されていて、たとえばゾーン4(オレンジ色)は最大心拍数の80〜90%に相当し、ペース走を行うのに最適とされています。

トレーニング終了後は「Polar Flow」アプリ内で心肺系と筋骨格系の両方へのトレーニング負荷をモニタリングできるようになっています。

また、自分の持久力がどれだけ向上しているかを俯瞰できるのもトレーニングの励みに。

ただし、トレーニングをサボると持久力の数値がダダ下がりします(たとえば上のグラフで言えば11月11〜17日あたり)。一定の頻度で運動を行うことが前提とされていて、なかなかストイックではあります。

機能は上位機種と同等

Vantage M3には、ポラールのスポーツウォッチに開発された機能がすべて搭載されているところも大きな推しポイントです。

上位機種である「Grit X2 Pro / Grit X2 Pro Titan」や「Vantage V3」とまったく同じ機能性を誇りつつも、お値段が安いのは単に素材の違い。ステンレススチール製のベゼルにプラスチック製のケースを合わせることで、軽量化と低価格化を実現しています。

内臓地図とルートガイダンスはもちろんのこと、獲得標高と斜度を随時確認できるので、山で特に重宝します。

あと、個人的に気に入っているのが日の出と日の入りの時刻表示。日の長さも確認できて、季節のうつろいを感じることができます。

ポラールMシリーズの最高傑作

買ってみて、使ってみて、総じて大満足なPolar Vantage M3。

唯一満足していないところは物理ボタンのかたさでしょうか。筆者が非力なだけかもしれませんが、まんなかにある決定ボタンがやや押しにくい印象…。まあ、タッチスクリーンの操作性が高く、タップするだけで同じ操作を実行できるので、さして困ってはいませんが。

余談ですが、筆者が初めて手にしたスポーツウォッチは2014年10月に発売された Polar M400 でした。当時はまだスポーツウォッチの種類が少なく、M400も「GPS内蔵型のトレーニングコンピュータ」として売り出されていました。

それから10年。同じMシリーズの系譜を受け継ぐ Vantage M3と並べてみると、ポラールウォッチの進化は歴然です。

さらに10年後にはどんなポラールウォッチを手にすることができているのか、楽しみです。

Source: Polar (1, 2, 3)
Text, photos: 山田ちとら

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