「なぜ西洋の料理とアジアの料理はこんなにも味が異なるのか?」を
理論的に解明できそうな興味深い研究結果がネイチャー誌より発表されました。56498件のレシピを分析した結果、381種の食材のペアが存在することが明らかに。
その「味」の違いとは一体何なのでしょう?
研究結果によると、北米と西欧の料理は共通する風味をもつ食材を好んで用いる傾向があることがわかりました。一方アジアの料理では正反対で、同じような風味を含む食材を系統的に避ける傾向があり、2つの食材に共通する味が多ければ、アジアの台所ではそれを避けようとするのですね。
過去10年間の実験的研究の理論が証明されました。
フードペアリング理論では、2つの食材を組み合わせておいしいと感じられるのは、個々の食材が類似の風味化合物によって構成されている場合だとされます。例えばコンテンポラリー・レストラン等で提供されるような料理では、トリメチルアミンを共通風味物であるとして、ホワイトチョコレートとキャビアを組み合わせたり、またチョコレートとブルーチーズの組み合わせにおいては、何と73もの共通風味成分があるとしています。
アジアの料理ではこのフードペアリングを避ける傾向にあります。この分析上では、アジアの料理はフードペアリング理論上は破綻、この理論では測れない料理がアジア料理という事になります。研究によると、この「超越した独特の料理、または食材の発見」は、新しいスタイルの調理法を開拓するだろうとしています。
風味はどのように結びつくのか?この図は「フレーバーネットワーク」を表します。
それぞれの要素は風味化合物を表し、要素の色が食物のカテゴリーを表し、要素の大きさは調理レシピの中でどれだけ普及しているかを表します。2つの食材に共通する風味化合物が多ければ多いほど、両者間の結びつきが強固になる」事を表しています。
中々興味深いですね。この研究結果に基づいた新しい分野の料理とやらを食べてみたいものです。
[Nature]
Pizza by barbaradudzinska/Shutterstock -- Noodle by Arena/Shutterstock.mayumine( JESUS DIAZ/原文)