他社のiSpy状況は? Apple、Google、Microsoftの位置情報ログ比較表

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他社のiSpy状況は? Apple、Google、Microsoftの位置情報ログ比較表

iOS端末に位置情報のログがずっと残ってる件では、位置情報の問題が2つごっちゃになってパニック助長してる面もあるので、主なスマートフォンOS別に位置情報の扱いを表に整理してみました!

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まず表の上の方で言っているのは、携帯で収集し、アップル、グーグル、マイクロソフトの各社に転送されるデータですね。これには最寄りの基地局・WiFi接続ポイントと、場合によってはGPS測位の位置情報が含まれます。これは基本的にどの会社も扱いは同じ。位置情報サービスはユーザーに許諾を得ないと始まらないオプトイン方式ですし、転送データも匿名化されています。

一方、表の下の方で扱ってるのは携帯本体のローカルに保存される位置情報です。これはユーザーに使用許諾をもらって始まる位置情報サービスとは、全く別問題。今回アップルの不備が発覚したのはこちらなんですね。

なんでこんなに頻繁に携帯電話から位置情報が転送されるのか? というと、位置情報系アプリを使う場合には基地局・WiFi接続ポイントのデータベースを使った方が、現在地照会が迅速だからです(その時のためにユーザーと携帯にデータベースを作ってもらってる)。大した問題ではありません。

さらにアップルとグーグルでは、GPS使用中の携帯から交通混雑状況把握のため匿名でデータも集めてます。マイクロソフトから確認は取れませんでしたが、きっと同じような手法で交通情報を集めてるんじゃないかと思いますよ。これも大した問題ではないです。

自分が行った先々の基地局・WiFi接続ポイントの情報を集めてパッケージにしているのは、ユーザーが位置情報サービスをONにした場合だけですし、情報も匿名化されます。もっとも携帯固有IDはデータに割りつけられますが、これはマイクロソフトの説明によると、「ある地点に1人の人が15回戻る場合と15人が1回ずつ行く場合を区別するために」割りつけているんだそうな。収集はすべてバックグラウンド処理で行われます。また、くどいようですが、位置情報サービスをOFFにすれば全部オプトアウトすることができます(データ収集も終わる)。

唯一プラットフォームごとに違いが出るのは、位置情報をどうローカルに保存するか、という部分。マイクロソフトの話ではWindows Phoneのローカルにキャッシュ保存されるのは一番最近の位置情報1点だけ。Androidは一番最近のWiFi接続ポイント200点と一番最近の携帯基地局50点の情報を保存しています。

これに対しiOSは携帯基地局ベース位置情報のログを常時とり、そのデータベースを携帯とバックアップのコンピュータに保存してるんです(Androidとかはコンピュータにバックアップはとられない)。保存期間も長く、利用者がiOS4をインストールした時点まで遡ることができます。ログ保存形式もゆるく、携帯本体や、携帯のバックアップをとったコンピュータの現物を拝借できる人なら誰でも簡単に開けるフォーマットなのですね。

何かのバグか「うっかり過誤」かもしれませんけど、今のところ利用者にできる最善策と言ってもジェイルブレイクしてログ消しアプリ入れるか、iPhoneのバックアップを暗号化することぐらいなので、他社の位置情報・サービスとは明らかに別物です。オプトアウトもできない、なぜこんなものがあるのかもわからない、ただ薄気味悪いだけ(その辺については米下院議員がジョブズCEOに5月12日までに回答するよう求めています)。

いずれにせよ携帯を使う以上、自分の居場所は携帯キャリアだけでなくメーカーさんにもある程度知られてしまうんだなーということは、覚えておいた方が良さそうですね。

さらに詳しく知るならこちら。

Hacker News

Hacker News

Alex Levinson

WSJ

Matt Buchanan(原文/satomi)