ニンテンドー3DSは子どもの目に悪くないんじゃ...。小児眼科医から任天堂の6歳以下の3D使用警告に疑問の声

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ニンテンドー3DSは子どもの目に悪くないんじゃ...。小児眼科医から任天堂の6歳以下の3D使用警告に疑問の声

来月のニンテンドー3DS発売に先立ち、任天堂が「専門家は、[...]3D映像は、小さなお子様の目の成長に影響を与える可能性があるという見解をもっています」という警告を出した件で、眼科医の間から「科学的根拠希薄」と疑問の声が挙がっています。警告は訴訟対策なんでしょうか...。

NYタイムズが世界的に高名な全米の小児眼科医に取材してみたところ、ほぼ全員、今の3D技術は子どもの身体に何の影響も及ぼさない、という見解だったんですね。

セントルイスのワシントン大学Lawrence Tychsen小児眼科学教授は「映画館で3Dを観ても、3Dゲームをしても、目に悪影響なんか無いですよ」と言ってます。同教授は3ヶ月間、子猿に3Dメガネかけて3D動画&画像を朝から晩まで強制的に見つめさせたのですが、視力発達は3Dメガネかけてない子猿と全く変わんなかったそうです。

ボストン小児病院眼科医長を務めるハーバード大学David Hunter眼科学教授も、そういう映像技術が目の発達に影響を及ぼすことを示す証拠は充分揃ってない、と話してます。というのも、そもそも3次元映像は人間の目が3Dイメージを構築する方法にとても似てるので。

もちろん、人工的3D映像には微妙な違いもあります。例えば決まった方向に頭を向けてないと全体像は見れないし、焦点合わせる深度も変わるし、あとニンテンドー3DSはメガネ要らないけど、3Dメガネは視界が暗くなりますもんね。 従って問題があるとすれば視力より、疲れ目。なので、頻繁に休憩とる、という任天堂の推奨は正解みたいですけどね。

UCサンディエゴの小児眼科医のDavid Granet米国小児科学会次期会長によると、今、小児科医の間で問題になっているのは2Dでも3Dでも画面を見つめてる時間が長過ぎる影響です。刺激の強いインタラクティブ技術を使い過ぎると、子どもの集中力が落ちるので、同学会では2歳未満の子には2Dでも3Dでも画面は一切見せないよう推奨してるんですよ。

ちっちゃい子の小守がわりにゲーム与える親も、早期教育がわりにスマフォやらせてる親もこの括りに入りますかね...。

いずれにせよ今回任天堂が発表した「専門家の見解」はGranet氏が運営するオンラインのディスカッショングループでもちょっとした騒ぎになり、「誰か警告の理由、出元を知ってるかい?」というメールが飛び交ったそうです。ほんと、どこの専門家なんでしょうね?

[NY Times]

Adrian Covert(原文/satomi)