映画『アメリ』の中のセリフ。八百屋のコリニョン氏のお父さんがアメリに向かって言う。お父さんは昔地下鉄の切符切りpoinçonneurをしていて、彼の癒しは、毎晩ローリエの葉に穴をあけること。「本当はリラの葉がいい」がと言うが、これはセルジュ・ゲンズブールの「リラの門の切符切り Le poinçonneur des Lilas 」を踏まえているのでしょう。
日本の「取らぬ狸の皮算用」に当たることわざですが、直訳すると「熊を殺す前に熊の皮を売ってはいけない」となります。もともと狸はヨーロッパに生息していないので(今は、皮を取るために輸入されて逃げ出したものが野生化したものがいるらしいですが)、フランスでは狸にあたるものが熊というわけです。
与えられている仕事をおろそかにするべきではない、というのが本来の意味。
「破れ鍋に綴じ蓋」的意味でフランスのドラマSeconde Chance で利用されていたのも気になるところ。
人それぞれ、似合ったパートナーがいる、という感じでしょうか。