誕生日やバレンタインデーなど、手作りのケーキを作る機会は多い。しかし、慣れていないとスポンジケーキは「硬い」「べっちゃりする」など失敗することもある。
普通は失敗したらそのまま捨ててしまうかもしれない。しかし、その失敗ケーキをなんとか再利用する方法はないのだろうか。フードスタイリストの丹羽彰子さんに聞いてみた。
スポンジケーキの失敗例
プロはさすがにもうスポンジケーキの大きな失敗は起こらないだろう。しかし、万が一、失敗した場合、どうしているのだろうか? 丹羽さんは「食べられる状態のものだったらそのまま食べたり、別のお菓子にしたり捨てずに再利用します」とのこと。
ところで丹羽さんはスポンジケーキについて失敗したことはあるのかと尋ねると、「もちろん何回もあります!」と意気揚々と答え、その4つの失敗を教えてくれた。
【失敗1】粉を混ぜ足りず、ダマになって残り、食感がボソボソに。
【失敗2】逆に混ぜ過ぎて卵の泡が消えてしまい、膨らみが悪くなった。
【失敗3】焼き時間が足りなく、型から出したら“しゅん”としぼんでしまった。
【失敗4】焼成温度が高すぎて表面が焦げてしまい、カットしてみたら中がベタついていた。
いずれも素人ではよくある失敗である。しかし、失敗2~4は、失敗と気づかないケースもある。
プロが教える失敗スポンジケーキの使い道
何ごともあきらめたら最後。
・シロップを染みこませて「ティラミス」に。
・細かく切って「トライフル」にしたり、アイスクリームに混ぜ込む。
・網を通して「ケーキクラム」にしてトッピングに使う。
・洋酒やシロップを含ませ、丸めてチョコレートをコーティングする。
・薄く切ってカリカリに焼いて「ラスク」にする。
さすがフードスタイリストである。もはや失敗の「し」の字も感じさせないアイデアである。そしてどれもスポンジケーキよりもなんかおいしそう。
…なんとなく失敗したほうがいい気がしてきた。これぞプロのマジックといえる。
(石原亜香利)
取材協力
丹羽 彰子(にわあきこ)さん
フードスタイリスト。パン教室「Nahr.」主宰。広告、カタログ、WEB等のさまざまなメディアで、レシピ開発・スタイリングを手がける。身近な食材を使って家庭でつくりやすく、アレンジしやすい料理に定評がある。
http://koniwa.petit.cc/