バナナは吊るして、冷蔵庫で保管?
(上)実験開始 (中)4日目、左のバナナは芯が取れてしまった (下)5日目、バナナスタンドのバナナが自然落下
先日、近所のスーパーの台所用品売場で、「バナナスタンド」なる妙な物を発見。パッケージには「バナナをぶら下げておくスタンドです。
バナナが傷みにくくなります」と記されている。世の中にこんな物があったとは知らなかったので、とりあえず買ってみる。これにバナナを吊るすと、本当に長持ちするのだろうか。

早速、実験。バナナを2房用意。1房をじかに置き、もう1房を吊るす。置いたバナナを4日目にちょっと持ち上げたら、房を束ねる芯の部分がボロっと取れてしまい、まもなく急速に黒ずんでしまった。一方、吊るしたバナナも5日目には芯の部分を残して自然に落下。そんなわけで、吊るした方がいくらか長持ちすることが分かった。

筆者の友人でバナナスタンドの存在を知っていたのは11人中2人のみ。もしかして新商品? バナナの販売に力を入れている住商フルーツ株式会社の佐藤さんに聞いてみた。
「スタンドそのものは昔から使われています。
以前は『リッチな商品』というイメージでしたが、近年は100円ショップにも並ぶようになり、雑貨のひとつとして普及しています」
もしかして、筆者の友人は貧乏人ばかりなのか……という疑問はさておき、バナナが長持ちする秘密を聞いてみよう。
「バナナはデリケートな果実です。接すると黒くなりやすいので、接触面を小さくするため吊るすとよいのです。また、バナナは成長中、木にぶら下がっていますから、同じ環境に置いてやるといいわけです」

なるほど、納得。ところで、住商フルーツさんのホームページを見ると「バナナを1本ずつビニールに入れて密封、冷蔵庫に保管すると長持ちします」とある。えっ? バナナって、冷蔵庫に入れたらダメなんじゃないの?
「熱帯の食べ物ですから、寒い所が苦手です。青いうちに入れてはダメです。しかし、ある程度熟してから入れると、追熟(ついじゅく)が抑えられて長持ちするのです。夏は特に追熟が速いですから」
冷やすと皮が黒くなることがあるそうだが、果肉には影響がないと言う。佐藤さん、冷蔵庫での保管を薦める理由をもうひとつ挙げた。
「夏のバナナはそのまま食べると生温かく感じます。冷やして食べた方がおいしいのです」

早速、バナナを冷やしてみた。
確かにおいしい。気象庁の3カ月予報によると、9月は残暑が厳しいとか。2年前にみかんを抜いて日本人の消費量トップの果物となったバナナ、常識を覆す「冷蔵庫で保管」試してみませんか? バナナスタンドも是非どうぞ。
(R&S)
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