こんにちは、ビールライターの富江弘幸です。

お風呂でしっかり温まった体に、冷たいビールが染み渡る瞬間は最高だと思いませんか？特に、銭湯で湯上がりに飲むビール以上に美味しいビールはないんじゃないかと思っているのですが、実は押上に銭湯が造ったブルワリーがあるんです。

本記事では、「風呂上がりにピッタリのビールが飲めるブルワリー」をご紹介します。

東京スカイツリー(R)のすぐ近く、押上〈スカイツリー前〉駅のB1出口から徒歩約2分のところにあるのが、ご紹介する「BATHE YOTSUME BREWERY（ベイズヨツメブルワリー）」。

押上駅から南の錦糸町駅に向かう四ツ目通り周辺で、老舗銭湯「黄金湯」をはじめ、「大黒湯」「さくら湯」という3つの銭湯を経営するオーナーが"お風呂上がりに楽しんでもらえるビールを自分たちの手でつくりたい”という思いで立ち上げた醸造所です。

醸造所ではオリジナルビールを飲むことができ、3つの銭湯の中で最も近い「さくら湯」からは徒歩20秒の場所にあるので、入浴後に立ち寄るのもオススメです（営業は22時30分まで）。

ブルワリーの中に入ると、醸造設備がガラス張りになっていて、ビール好きでなくてもテンションが上がります。スタイリッシュな店内で、実際にビールを造っている設備を見ながら飲めるのは最高です。

醸造設備の目の前には2人席が3つあり、奥には4人がけのテーブルが3つ、6人程度入れる個室のようなスペースが1つ。

風呂上がりに家族で来られる方もいれば、さっと1杯だけ飲んで帰るというお客さんもいるそうで、気軽に利用できる雰囲気です。DJブースもあり、その壁には黄金湯の写真も飾られています。

醸造設備の横にはサーバーが10タップ。これだけの選択肢があると迷ってしまいますが、ビール好きにはうれしい限りです。

BATHE YOTSUME BREWERYで造っているオリジナルビールは4種類で、そのすべてがここで飲めます。また、ゲストビールとして、ほかのブルワリーのビールが4、5種類提供されているそうです。

種類が多くて迷ってしまうという方には、飲み比べができるセットがオススメ。BATHE YOTSUME BREWERYのビール4種類の中から3種類を選べるセットは1,100円、ゲストビールも含めて4種類選べるセットは1,200円です。

今回はBATHE YOTSUME BREWERYの3種を選んでみました。左からペールエールの「BATHE SUNRISE」、IPAの「BATHE SHOWER」、ヴァイツェンの「BATHE FOREST」。

まず飲んでみたいのが「BATHE FOREST」（写真右）。アルコール度数3.7％と低めにしているのは、「3.7」と「サウナ」の語呂合わせということと、風呂上がりにすっきり飲みやすいビールを目指したということがあるようです。

特徴的なのは、サウナで使う白樺の枝を束ねた「ヴィヒタ」を醸造過程で使っていること。ほんのり木々の香りが感じられて、風呂上がりに森林浴をしているようです。

写真左の「BATHE SUNRISE」は、ペールエールの中でもすっきりした味わい。シトラスフレーバーと軽い苦味が楽しめて、バランスのよい味わいとなっています。

写真中央の「BATHE SHOWER」はIPAだけあって、強い苦みが特徴。モルトの甘みで味わいのバランスをとっていますが、後味はドライな印象で、何度でも飲みたくなる味わいです。

そしてもう1種類、BATHE YOTSUME BREWERYのヘイジーIPA「BATHE SQUALL」（Mサイズ630円）も飲んでみたくなって注文。

いかにもヘイジーIPAらしい濁りがあり、飲んでみると軽やかな苦味と柑橘やトロピカルフルーツのような味わいが感じられます。

オリジナルビール4種類を飲んでみると、しっかりとした味わいがありながらも全体的にすっきりとしていて風呂上がりにピッタリ。まさに“湯上がりの最高のひとときを醸造する”というコンセプトのとおりのビールばかりでした。

BATHE YOTSUME BREWERYでは、ビールに合うような軽食も提供しています。

ジャーキーやナッツ、地元墨田区にある桑原ハムのサラミのほか、フライドポテトなど。写真の「ローストビーフ」（700円）も人気で、自家製のオリジナルソースが和を思わせる味わい。しっかりした肉のうま味とソースがよく合います。

BATHE YOTSUME BREWERYは東京スカイツリーに近く外国人観光客も多い地域なので、ここを訪れたらビールを通じて銭湯という日本の文化を知ってもらう機会になるかもしれません。新しいビールも今後醸造していきたいということなので、今後のBATHE YOTSUME BREWERYに注目です。ちなみにブルワリーのビールは「黄金湯」に併設されているビアバーで飲むことも可能です。

「風呂上がりのビール」を堪能したい時にピンポイントで訪問したり、東京スカイツリーを訪れた際にその足で立ち寄ったりと、銭湯×ビールの組み合わせを楽しみに行ってみてはいかがでしょうか。