- トレーダーらは、ビットコインの不安定な状況が続けばアルトコインへの乗り換えが起こる可能性があると予想している。
- ビットコインは現在、過去最悪の12月を経験しており、季節的に強気な時期を過去30日間の2%の下落で冷え込ませている。
- しかし、9万ドルレベルまで下落すれば、市場トレーダーにとって新たなチャンスとなる可能性がある。
主要なオプションの満期が市場の動きに重くのしかかるため、トレーダーらはビットコイン(BTC)の不安定な状況が続き、アルトコインへのローテーションが起こる可能性があると予想している。
「今週の金曜日に予定されている大規模なオプションの満期に注目が集まっている。BTCとイーサリアム(ETH)のオプションで想定元本200億ドル(約3兆1000億円、1ドル=155円換算)近くが満期を迎える」とシンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)は12月24日の早朝に配信されたメッセージで述べた。「これはデリビット(Deribit)の総オプション契約のほぼ半分に相当する。特に現物価格がこのレンジで推移し、オプションの売り手がショートポジションをロールし続けるのであれば、これは十分に起こり得るだろう」
「ロール」とは、オプションの有効期限が切れる代わりに、トレーダーがポジションをより後の期限にシフトすることを意味する。これは、市場予測を依然として信じている場合に、取引を継続するためにしばしば行われる。
高いボラティリティはオプションの買い手にとって良いことがある。それはオプションが満期前のある時点で「イン・ザ・マネー」(利益を生む)になる可能性が高まるからだ。
「BTCが10万ドルを下回って低迷を続ける中、アルトコインは再び上げ始める可能性がある」とQCPは述べ、ビットコインが現在の価格水準で取引されていた1カ月前にも同様の傾向が見られたと付け加えた。報道されたように、ETH/BTCの比率は0.032のサポートラインで跳ね返り、アルトコインの動きを活発化させた。
暗号資産(仮想通貨)市場は、ビットコインが主導し、その後にアルトコインが続くというサイクルをたびたび経験している。新たな市場利益を手にした投資家がさらなる利益を求めてアルトコインへ資本を投入すれば短期間で急激な上昇につながる。
ビットコインは現在、過去最悪の12月を経験しており、季節的に強気な時期であるにもかかわらず、過去30日間で2%下落している。 資産価値がクリスマス近辺で急騰する傾向にある「サンタラリー」への期待は、数週間にわたる価格上昇後の利益確定と慎重なムードの中で損なわれている。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が来年の追加利下げの可能性を低く示唆する一方で、国家によるビットコインの保有を否定し、そのための法改正も求めないことを強調したため、さらなる下落を警告する声も上がっている。
しかし、9万ドル台まで下落すれば、市場トレーダーにとって新たなチャンスとなる可能性があると、FxProのチーフ市場アナリストであるアレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏は電子メールでCoinDeskに語った。
「衝撃的なシナリオが起こった場合、ビットコインは突然7万ドル台に下落する可能性もある。しかし、しかし、今後数週間で9万ドルへの引き戻しが買い手にとって売りを止めるのに十分な魅力となる可能性の方が高い」とクプツィケビッチ氏は述べた。「市場は、FRBの厳しい姿勢を消化し続けており、好調な1年を経て利益を確定したいという強い欲求が蓄積されていることで、その傾向が強まっている」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Lull Could Spur Altcoin Rally, With $90K Considered ‘Attractive’ Buying Area