中国が「グアムキラー」の映像公開 「動く標的に命中」の主張には疑問の声
香港(CNN) 中国国営メディアはこのほど、別名「グアムキラー」とも呼ばれる中距離弾道ミサイル「東風(DF)26」発射の様子を映したとする映像を公開した。
これに先立ちCNNでは、海上を航行中の艦船に同ミサイルを命中させることもできるという中国の主張に対して疑問を投げかけていたが、そうした報道に対抗する狙いがあるとみられる。
ミサイル発射の映像は中国中央テレビで24日に放映され、28日には空母にミサイルを命中させることができるという主張を裏付ける内容の記事が掲載された。
こうした一連の報道は、中国国内向けにミサイルを印象付けながら、国際社会に対して中国の軍事力を誇示する狙いがあると見られる。
しかし軍事評論家のカール・シュスター氏はこの映像について、「ミサイルが海上の動く標的に命中する場面は映っていない」「見えるのは標準的な弾道ミサイル発射の様子のみで、標的が動いているのか静止しているのかは分からない」と指摘した。
中国は以前から、同ミサイルは海上にある艦船を標的にすることもできると主張していた。
しかしシュスター氏によれば、中国はまだ、海上の動く標的にミサイルを命中させるために必要な実践的な手順や戦術については示していないという。
中国政府系のグローバル・タイムズ紙は28日、DF26にはミサイルの先端付近に4枚のフィンが装備され、これで針路を変更して動く艦船に命中できると伝えた。
さらに別の専門家の話として、弾頭に接続された情報ネットワークを通じ、動く標的の位置情報が継続的に更新されると伝えている。