バジパイ元首相が死去、93歳 インドの核保有を主導
ニューデリー(CNN) インドのアタル・ビハリ・バジパイ元首相が16日、ニューデリーで死去した。93歳だった。1998年に核実験を実施し、インドの核保有に道を開いた指導者として知られる。
96年と98年に短期間首相を務めたバジパイ氏は、その後99年から2004年までの5年の任期を全うした。今年6月、尿路感染症と胸部うっ血を患い、ニューデリーの医療施設に入院していた。
首相在任中の1998年に核実験を強行。隣国パキスタンもこれに対抗して核実験を実施した。核開発の取り組みを積極的に進めるバジパイ氏の姿勢は、国内外からの厳しい批判の的となった。
核実験に対する経済制裁が解かれた2000年には、当時のクリントン米大統領の訪問を受けた。米国の大統領がインドを訪れたのは22年ぶりだった。一方で、チベットが中国の一部であることを公式に認め、同国との関係を改善した。
パキスタンとの関係は緊張が続いたが、バジパイ氏自身は両国の和解に向けた交渉の進展に大きく貢献したとの評価を受けている。
同氏は優れた詩人としても有名で、ヒンディー語で書かれたその作品は数多くの詩集となって出版されている。