三谷ドラマ「もしがく」渡辺謙が“声”の出演

三谷幸喜脚本、菅田将暉主演のフジテレビ系10月期ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(毎週水曜夜10時~)の初回が1日に放送され、本作に登場するシェイクスピアのエピグラフ(題辞・引用句)の声を渡辺謙が務めていることが放送内で明らかになった。
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三谷が25年ぶりに民放GP帯連ドラ脚本を手がけた本作は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で三谷の青春時代の思い出を題材にしたオリジナルストーリー。物語の舞台は渋谷・八分坂(はっぷんざか)。渋谷駅から徒歩8分であることからその名称で呼ばれ、案内所、ジャズ喫茶、ラブホテル、ストリップ劇場らがところ狭しと軒を連ねる大人の繁華街。妖艶なネオンが照らすこの街角に、途方に暮れた若き劇団演出家・久部三成(くべ・みつなり/菅田)の姿があった。あまりの粗暴ぶりに自身の劇団から追放されてしまったのだ。当てもなく八分坂へ迷い込んだ久部は、案内所のおばば(菊地凛子)に誘われるがまま、WS劇場の扉を開く……。
“エピグラフ”とは書物の冒頭や章の初めに置かれる題辞や引用句のこと。シェイクスピアのさまざまなモチーフを盛り込んでいる本作では、このエピグラフがまるで小説のように登場し、毎話ドラマ本編のヒントにもなるシェイクスピアの名言も飛び出すという。
直近では大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の田沼意次役も話題を呼び、現在映画『国宝』が大ヒット中。先ごろ配信が開始されたNetflixシリーズ「今際の国のアリス」のシーズン3では謎の老紳士役で出演している。三谷脚本作品には「君たちがいて僕がいる」(1992・フジテレビ系)で主演したほか、映画『ラヂオの時間』(1997)などに出演。三谷演出の舞台「ホロヴィッツとの対話」(2013)では主演を務めている。
プロデュースの金城綾香は、渡辺の起用について「この台本の初稿から、頭にはシェイクスピアの言葉がありました。それはドラマの船頭のようなものでもあり、三谷さんからのお手紙のようでもあり。気さくで分かりやすいけれど、なるほど…と気づかせてくれるところもある、深みがある言葉たちに、毎週台本を受け取るのが楽しみでした。まさか渡辺謙さんがお声を引き受けてくださると思わず、断られることを覚悟でご相談したところ、ご快諾くださって、今でも信じられない気持ちです。時に厳しく、時に楽しく、渡辺謙さんのお声が、物語を見守ってくださっています。その温かいお声が登場人物を見守るシェイクスピア、そして三谷さんのように感じられます。エピグラフ、聞きなれない言葉だと思います。この“エピグラフ“も楽しみに毎週このドラマにお付き合いくださればと思います」とコメントを寄せている。
第2話は10月8日、夜10時より15分拡大で放送される。(石川友里恵)