永山瑛太、ドラマ「ランチの女王」から続く妻夫木聡との歴史

俳優の永山瑛太(42)が9日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『宝島』(9月19日公開)東京プレミア舞台あいさつに、主演の妻夫木聡をはじめ、広瀬すず、窪田正孝らと共に登壇。カリスマ的な人物を演じるための役づくりについて振り返るなかで、「役柄と実際の立場が違った」という妻夫木との共演に触れた。
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本作は、真藤順丈の直木賞受賞作を、映画『るろうに剣心』シリーズなどを手掛けた大友啓史監督が映画化。太平洋戦争後の沖縄で、アメリカ軍基地から奪った物資を住民たちに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれた若者たちの生きざまを描く。永山は「戦果アギヤー」のリーダー的存在で、謎の失踪を遂げるオンを演じた。
「戦果アギヤー」の精神的支柱となるオンは、圧倒的なカリスマ感が要求されるキャラクター。永山は「自分が『戦果アギヤー』のリーダーとして前に立つという意味で、どれだけ英雄視される人間を演じるかというのがとても重要でした」とポイントを挙げると「でも僕は妻夫木君(44)よりも年下で、彼は先輩なんですよね」と、役柄と実際の立場が違うことを強調する。
頭を抱えるほど考えたという永山だったが、妻夫木と共に嘉手納(かでな)基地を見学し、米軍の生活に触れていくなかで「理屈ではなく肉体で表現しよう」という結論に至ったといい、「毎日嘉手納基地の周りをランニングして思考を停止しました。妻夫木聡さんを先輩だと意識しないようにしました」とアプローチ方法を明かす。
それを聞いていた妻夫木は「(2002年放送の)『ランチの女王』というドラマで初めて一緒になったとき、(永山が)『友達役だからブッキーって呼んでもいいですか?』って言ってきたんです。僕は『あぁ、どうぞ、どうぞ』って言ったのですが、もうそのときから、この(先輩、後輩を意識しない)関係性だと思っていたんですけれどね」と笑う。
すると永山は「『ぶっきー』って呼んで仲良くしてもらっていましたが、どこか心の底では『ちょっと生意気だな』とか思われていたんじゃないかなと心配していたんです」と胸の内を明かし、妻夫木は「そんなバカな。思ってないよ。散々共演してきたじゃないか!」と否定し会場を笑わせていた。
一方、永山の演じたオンの恋人であるヤマコを演じた広瀬は「私がクランクイン前日に沖縄に入ったとき、お三方(妻夫木、窪田、永山)が走っていくところを撮影していたのですが、モニターで見ても、肉眼で見ても、すごく眩しい三人でした。そのなかでオンちゃんの笑顔や、みんながオンちゃんを見つめる視線が印象に残っていました。とにかくかっこいいオンちゃんでした」と絶賛していた。
イベントには塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮(とろサーモン)、デリック・ドーバー、大友啓史監督も登壇した。(磯部正和)