マイクロソフト移籍は壮大な「ハッタリ」。OpenAI従業員はMSで働くつもりはまったくなかった

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OLIVIER DOULIERY/Getty Images

11月末にサム・アルトマン(Sam Altman)がOpenAIからCEOの任を解かれた後、OpenAIの社員たちは、全社員を雇用するというマイクロソフト(Microsoft)からのオファーを受け入れて退職するとOpenAIを脅した。

実はこれは大胆な「ハッタリ」であり、ほとんどの社員はマイクロソフトで働くことにまったく興味を持っていなかったと、OpenAIの現役・元社員がBusiness Insiderに明かした。

CEOが突然解任されると、OpenAIの何百人もの社員は、アルトマンの復帰と取締役会の総退陣を要求する公開書簡に署名した。当時、彼らの主な拠り所は、社員全員が退職し、アルトマンとグレッグ・ブロックマン(Greg Brockman)社長がマイクロソフト内の新しいAIグループに加わるという計画だった。

だが結局、OpenAIの社員はこれを実行に移す必要はなくなった。アルトマンとブロックマン、そして経営幹部のほとんどがOpenAIに戻ってきたからだ。新しい役員も就任し、さらに追加の就任も予定されている。

そして今、マイクロソフトに移るという脅しの背後にある真実が明らかになりつつある。

マイクロソフトの内部関係者はBusiness Insiderに対し、OpenAIの社員全員を雇用するのは、マイクロソフト社内では最後の手段とされていたと語る。そしてOpenAIの社員の少なくとも一部の間で、実際にマイクロソフトで働く必要がなくなり安堵が広がっている。

「これは『ハッタリ』のようなものだったのですが、最終的にはうまくいきました」

今もOpenAIの現社員と連絡を取り合っている元社員はそう話す。機密事項について話してくれたこの人物と、Business Insiderの取材に応じた他の人物は匿名を求めた。

また、OpenAIの現役社員の1人は、社員のほぼ全員がアルトマンについていくと署名はしているが、「マイクロソフトに行きたい者はいなかった」ことを認めている。この人物はマイクロソフトを、大手テック企業の中で「一番図体がでかくて一番動きが鈍い」と評する。OpenAI社員による自社評とは真逆だ。

署名へのプレッシャー

多くのOpenAI社員はマイクロソフトに入社することにまったく関心がなかったため、書簡に署名することに「プレッシャーを感じた」はずだとこの社員は話す。

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