フェイスブック(現在のMeta)はメタバースがどのようなものかを示すために、いくつかの画像を作成した。
- 最新の世論調査によると、メタバースが次の大きなトレンドであり、日常生活の一部になると考えているZ世代はわずか38%だった。
- 投資家や大手企業が、若い人たちがメタバースブームの原動力になると期待しているのにも関わらずだ。
- ハリス・ポールの調査によると、Z世代とミレニアル世代を合わせれば10人中7人がメタバースに関心を持っている。
投資家や大企業は、メタバースに若者が集まり、バーチャルな未来の推進力となることに賭けている。
しかし、アメリカの市場調査および分析会社であるハリス・ポール(Harris Poll)の新しい調査によると、Z世代にメタバースが未来の姿であることをもっと納得させる必要がある。
「メタバース(metaverse)」とは、人々がアバターを持ち、ゲームをしたり、仕事をしたり、物を作ったり、パフォーマンスを見たりなど交流する仮想世界を指す言葉だ。
1997年から2012年に生まれたZ世代のうち、「メタバースは次の大きなトレンドであり、今後10年間で我々の生活の一部になるだろう」と考えているのは、わずか38%であることが分かった。仮想世界を信じている人たちにとってより心強いニュースは、25歳から40歳であるミレニアル世代の間では、そう考える人が48%だったことだ。
全体的に見ると、Z世代とミレニアル世代の10人に7人がメタバースでの交流に興味を持っていた。
最近、フェイスブック(Facebook)はがメタ(Meta)にブランドを変更し、仮想世界に活動の中心を移すことを発表してからメタバースの周囲では大々的な宣伝が行われている。また、ナイキ(Nike)やアディダス(Adidas)などの大企業がプロジェクトを準備しているところだ。
ウォール・ストリートのアナリストたちは、メタバースに対してますます強気になっている。若い人たちはすでにゲームに慣れ親しんでいて、オンラインで多くの時間を過ごしているため、自然とバーチャルリアリティに興味を持つだろうと主張しているのだ。
「Z世代は、メタバースの早期導入を大きく促進する要因になるだろう」とサイモン・パウエル(Simon Powell)率いるジェフリーズ(Jefferies)のアナリストたちは、2021年12月6日に述べている。
「最初は暗号資産(仮想通貨)を稼ぐための遊びやゲームの形式を取るだろうが、ゆくゆくは人間の活動のほぼすべてに拡大していくだろう」
暗号マニアは、メタバースでの暗号資産(仮想通貨)や非代替性トークン(NFT)の使用がブームになるかもしれないと興奮している。最近では、ある企業がNFTゲームの「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」の仮想空間上の土地を430万ドル(約4億9000円)で購入した。
今回の調査によると、Z世代の37%が、メタバースでユニークなデジタルアイテムを所有するチャンスに金を使う価値があると考えているのに対し、アメリカ人全体では33%だった。また、ミレニアル世代では51%であり、より熱心であることが分かっている。
ハリス・ポールによると、Z世代とミレニアル世代の3分の2が、メタバースでの交流が実際に何を意味するかを理解していると答えたという。しかし、40代以上の人で理解しているのは27%にとどまっている。これらの混乱したように思える回答は、メタバースが実際にどのようなものになるのかはっきりと分かっていないことを物語っている。
仮想世界を利用したゲームなど、小さなメタバースはすでに数多く存在している。しかし、ひとつの大きな統合されたメタバースは、「まだまだ遠く大きな課題だ」とモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のアナリスト、エドワード・スタンレー(Edward Stanley)は最近のレポートで述べている。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)