2018年、伊勢湾地域にて撮影。
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特別警報級となる勢力への発達が懸念される台風10号「ハイシェン」の発生など、2020年も日本列島に台風警戒の季節が訪れている。
気象災害の広がりが懸念されるが、先月、日本に襲来する100年に一度級の「台風豪雨」は2040年までに3倍に増える可能性がある……という気になるレポートが公表された。
レポートをとりまとめたのは、米マッキンゼー・アンド・カンパニー。「アジアの気候リスクと対応(Climate risk and response in Asia)」という試算の一部として発表した。
台風による豪雨リスクについての試算は、2100年における温室効果ガスが最大排出量で推移すると仮定したシナリオ(RCP 8.5)を基にシミュレーションされたものだ。
100年に一度レベルの「台風にともなう豪雨」の可能性について、増加率別にマッピングした図。最大3倍程度までのリスク増加を見込んでいる。
出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー「アジアの気候リスクと対応(Climate risk and response in Asia)」
大前提として、気候変動が台風の頻度を増加させる可能性は低いとしながらも、「日本・中国・韓国の沿岸部における100年に一度レベルの“台風にともなう豪雨”は、2040年までに3倍に増加すると考えられている」とレポートしている。
図をみると、日本においては、太平洋側の沿岸部を中心にリスクが増加すると推定される地域が広がっていることがわかる。「3倍に増える」可能性のある地域には、東京含む首都圏のほか四国・九州の一部地域、伊勢湾沿岸地域にあたる三重県なども含まれている。
(文・伊藤有)