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- アメリカ人の3人に1人は新型コロナウイルスのワクチンを接種したくないと考えていることが、最新の国際調査で分かった。
- 調査会社イプソス・モリ(Ipsos MORI)の調査によると、アメリカでは回答者の33%が新型コロナウイルスのワクチンが接種できるようになっても、接種しないと答えた。
- その理由として最も多かったのは、副作用への懸念だ。
- 回答者の20%は、新型コロナウイルスに限らず、ワクチン全般に反対だという。
- 新型コロナウイルスのワクチン接種に対して最も積極的だったのは中国だ。一方、最も消極的なのはロシアだ。
- イギリスでは85%、日本では75%、イタリアでは67%が新型コロナウイルスのワクチンを接種したいと答えた。
世界経済フォーラムに代わってイプソス・モリが世界27カ国、1万9519人を対象に7月24日から8月7日にかけて実施した調査によると、アメリカ人の3人に1人は新型コロナウイルスのワクチンが接種できようになっても、接種したくないと考えている。世界的に見ても、アメリカはワクチンに対して最も懐疑的な国の1つであることが分かった。
調査では「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンが手に入るようになったら接種したい」という文章を回答者に提示し、それに対する意見を尋ねた。アメリカでは回答者の33%が「やや反対」または「強く反対」と回答、32%が「やや賛成」、35%が「強く賛成」と答えた。
アメリカのワクチン接種に肯定的な人の割合は、27カ国の平均を下回った。ワクチン接種に否定的な人の割合は、調査対象国全体では26%だった。
調査の結果、ワクチン接種に最も消極的なのはロシアだった。
ロシアでは回答者の47%がワクチンを接種したくないと答えている。「やや反対」が24%、「強く反対」が22%だった。プーチン大統領は8月、ロシアが新型コロナウイルスのワクチンの開発に成功したと発表、すぐにも大量生産したい考えを示していた。
一方、ワクチン接種に最も積極的なのは中国だった。ワクチンを接種したくないと答えた人はわずか3%で、97%は接種する考えを示した。
イギリスもワクチン接種には積極的で、85%が「やや賛成」または「強く賛成」と答えている。
スペインでは72%、ドイツでは67%、イタリアでは67%、スウェーデンでは67%、フランスでは59%が「やや賛成」または「強く賛成」と回答している。
日本では「やや賛成」が51%、「強く賛成」が24%と、4人に3人が肯定的に答えていて、「やや反対」が20%、「強く反対」が5%だった。
Carlos Barria/Reuters
なお、新型コロナウイルスのワクチンを接種したくない理由としてアメリカ人が最も多く挙げたのは、「副作用が心配」だった(60%)。37%が「効果があると思えない」、20%が「ワクチン全般に反対」、19%が「ワクチンを接種するほどのリスクを感じていない」と答えた。
日本でも62%が「副作用が心配」、32%が「効果があると思えない」などと回答している。
[原文:A third of Americans say they wouldn't take a coronavirus vaccine]
(翻訳、編集:山口佳美)