決算
グーグルとその親会社アルファベットのCEO、サンダー・ピチャイ。
REUTERS/Brandon Wade/File Photo
- グーグルは、ビデオ会議｢Hangouts Meet｣のプレミアム機能を7月1日まで無料で提供する。新型コロナウイルス対策でリモートによる運営を強いられるビジネスや学校をサポートするためだ。
- Hangouts Meetには、最大250人が参加できるビデオ会議、最大10万人に配信できるライブストリーミング、会議を録画してGoogleドライブ内に保存できる機能がある。
- ｢COVID-19の拡大に対応するため、多くの従業員や学生がリモートを活用しており、その生産性を維持できるように支援したい｣と、グーグルはブログに投稿した。
- この無料化は、グーグルのビデオチャットツールの競合にあたるZoomが、中国のユーザーに無料サービスの時間制限を解除したことに関連している。
- アナリストは、多くの人々がリモートワークを行っているため、人々をつなげるクラウドソフトウェアは利用者が増加していると語っている。
グーグル（Google）は、新型コロナウィルス（COVID-19）によりビジネスや学校に影響が出ていることを受け、ビデオ会議サービス｢Hangouts（ハングアウト）Meet｣を7月1日まで無料で提供する。
グーグルは3月4日に投稿したブログで、｢COVID-19の拡大に対応するため、多くの従業員や教育関係者、学生がリモートを活用している。そのつながりと生産性をサポートするために、我々の役割を果たしたい｣と述べた。
Hangouts Meetは、 ｢Google ドキュメント｣ や ｢Googleスプレッドシート｣ と並んで、グーグルの生産性向上ツール ｢G Suite｣ の一部だ。教育に焦点を当てた製品版と大企業向けのエンタープライズ版もある。これらのプレミアムバージョンの機能が7月まで無料で提供される。
無料となる機能には、最大250人が参加できるビデオ会議、最大10万人のドメインユーザーに配信できるライブストリーミング、会議の様子を録画してグーグルドライブ内に保存できる機能がある。
これは、Hangouts Meetの競合であるZoomが、中国のユーザーに無料サービスの時間制限をなくしたことによる。中国山東省出身のZoomのCEO、エリック・ヤン（Eric Yuan）氏は、｢新型コロナウイルスが、オフィスから学校の教室まで、日常に混乱を招いている。深刻な影響を受けている人々を助けたい｣とブログで述べた。
新型コロナウィルス拡大の懸念から、ホワイトカラーの多くが自宅で働き、閉鎖された学校では教育関係者が学生への指導に苦心している。グーグルは、学校が休校になっている香港やベトナムでは学生や教師がHangouts Meetなどのツールを使用していると述べている。
アナリストは、人と人をインターネットでつなげるクラウドツールは利用者が増加していると述べている。 新型コロナウイルス拡大が始まって以来、Zoomの利用者が大幅に増加したと報じられている。調査会社のバーンスタインの試算では、Zoomは新型コロナウィルスによってより多くの新規のアクティブユーザーを獲得したと、CNBCは報じた。
｢この困難に直面するユーザーと顧客をサポートするために、需要が増加するHangouts Meetを支えるインフラを拡大し、効率的で信頼性の高いアクセスを保証する｣と、グーグルはブログで述べた。
COVID-19の影響を受ける企業と学校のネットワークを維持したいと考えている。2020年7月1日まで、世界中のすべてのG Suiteのユーザーに、高度な機能を持つHangouts Meetへの無料アクセスを提供する。
Googleクラウドは、新型コロナウイルスへの懸念のため、2020年の大規模カンファレンス｢Google Cloud Next｣を中止した。とイタリア、イラン、日本、韓国への従業員の出張も制限している。またグーグルは、スイスの同社従業員が新型コロナウイルスの検査で陽性と確認されたことを認めた。
（翻訳：Makiko Sato、編集：Toshihiko Inoue）
