選挙行ってる？3月21日から始まる｢選挙イヤー｣争点はなに？20代としてむりやり興味を持ってみたら

2019年は春の統一地方選に始まり、夏には参議院議員選挙と大きな選挙が続く｢選挙イヤー｣。

まずは3月21日に11の道府県の知事選が告示される。

最近は地下鉄の駅の出口に立ってビラ配りをしている人を、ちらほらと見かけるようにもなった。

……とはいえ、選挙が盛り上がっているかといわれると、少なくとも27歳の筆者の周りではそうは感じられないように思える。

そんな状況を危惧してか、｢TBS NEWS｣の｢Dooo（ドゥー）｣という対談番組で、Business Insdier Japanも協力して｢若者が政治に興味を持つには？｣という企画をするという。政治に興味ない若者を代表して、出演した。

今年は｢女性の政治参加｣が盛り上がる？

一緒に話したのは、政治SNSアプリ｢PoliPoli（ポリポリ）｣を運営する伊藤和真さん（20）と、若者の声を政治に反映させる｢日本若者協議会｣代表理事の室橋祐貴さん（30）。

今一つ乗り気でない私にまず、興味を持てそうな話をしてくれたのは室橋さん。

2018年に、女性の政治参加を促進する｢政治分野における男女共同参画の推進に関する法律｣ができ、国会と地方議会の選挙で候補者数が男女｢均等｣となることをめざす努力義務が盛り込まれたため、今回の選挙では各党は競うように｢女性の候補者擁立｣を掲げているという。

2017年の衆議院選挙では、立候補した人の男女比率は8:2だったが、当選者の男女比は9:1になってしまっている。

現在、参議院の女性比率は約2割だが、#MeTooの流れもあり、2019年が｢女性が政治参加｣が盛り上がりそうだ。

ネット政治に未来はある？

2018年にはサイバーセキュリティー担当大臣が｢自分でパソコンを打つことはない｣と発言して騒がれたけれど、政治といえば｢テックに疎いおじさんたちが話し合って決めているもの｣というイメージはまだまだ根強い。

そんな状況をITで変えようとしているのがPoliPoliの伊藤さんだ。例えばアメリカでは政治に関する議論や署名活動ができるアプリ｢Brigade｣など、｢ポリテック｣と呼ばれる政治とテクノロジーを掛け合わせたスタートアップが生まれている。

日本でも2013年にネットでの選挙活動が解禁されたが、メールの利用は政党と候補者に限られている。SNSの利用状況も大きく変わっているため、もっと自由にオンラインでの政治活動ができるよう規制も変えていくべき、と室橋さんはいう。

逆に伊藤さんは、数兆円規模ともいわれる｢ポリテック｣ビジネスを進めることで政治をアップデートしたいと語る。

｢（テクノロジーの活用は）エストニアなどではできているけれど、日本では行政としてやるのは多分むずかしいことも多い。だったらビジネスとして、ちゃんとスピード感を持ってやらないといけないなと｣（伊藤さん）

公約は2〜3カ月前に決まる

政治には興味ない、候補者も誰も知らない、そんな人でも伊藤さんは｢5分あれば政策や政治家について知ることができる｣という。まずは子育てや年金など、関心のあるトピックをグーグル検索してみてほしい、と語る。

最後に室橋さんが、投票に行くことと同じか、もしかしたらそれ以上に、｢政党の公約に自分たちの意見を反映させる｣ことも重要だと教えてくれた。

各党が公約を決めるのは、選挙の2〜3カ月前から。だとすると、7月の参院選に向けて各党はいまちょうど公約を練り上げているところだといえる。

PoliPoliと日本若者協議会では、2019年の選挙から、いろいろな立場の人からの意見をオンラインで集めて政党に届ける役割も担っていくという。

｢見るだけにとどまるのではなくて、Twitterと同じような感覚で気軽に（意見を）届ける。居酒屋談義でしゃべっている間に、ついでに書くみたいに。そうしたら本当に変わる可能性がある｣（室橋さん）

いろいろな話が出たけれど、やっぱり無力感は消えない。2017年の衆議院議員選挙では、20代の投票率は約3割だったのだ。それでも、政治でなにかを変えるには ──。まずは一番身近な問題を考えてみることから始めるしか、なさそうだ。

（文・写真、西山里緒）

上記のトークも含まれている、徳谷柿次郎さん、堀口ミイナさんが司会を務める｢TBS NEWS｣の対談番組｢動いて動いて動こう！Dooo（ドゥー）｣が、地上波深夜に特別番組を放送します。

【タイトル】｢2019参院選特番　〜Dooo これからの日本を考えよう〜｣

【放送日時】3月24日（日）深夜2時20分〜3時20分（一部地域を除く）