グラビアタレントとして長年、一線で活躍する熊田曜子さんが離婚の手続きに入ったことが明らかになり、その理由をめぐって様々な報道が活発化している。
熊田さんは5月、夫によるDV被害にあったとされている。6月10日発売の「週刊新潮」「週刊文春」の両誌は、夫に取材。取材に応じた夫は、事件のあった日に「手が顔にあたった」(週刊文春)出来事は認めながらも「日常的にDVを繰り返していたなんてことはありません」(週刊新潮)と話している。
また、妻の不貞の証拠を見つけたことで、DV事件当日はその話し合いをしていたとも主張した。しかし週刊文春の取材に、妻の代理人は「不倫関係については全くの事実無根」だと回答している。
実際に何があったのかは明らかではないが、離婚や慰謝料をめぐって2人の争いは続きそうだ。今後、離婚に向けてどんな展開が予想されるのだろうか。離婚や男女問題に詳しい山口政貴弁護士に聞いた。
●「双方がDVと不貞を主張するケースは多い」
ーーすべて報道を通したものですが、DVと不貞を双方が主張し合っていますが、このようなケースではどのような話し合いがされるのでしょうか
離婚の意思を固めたのであれば、有責配偶者(夫婦関係を破綻させた原因を作った当事者)がどちらなのかを話し合うことになるでしょう。
実際の裁判でも、夫婦双方がDVと不貞を主張し合うという事態は多いのですが、そのような場合は、DVと不貞のどちらが先になされたのか、DVによるけがの程度はどの程度だったのか、不貞行為の期間や態様はどのようなものであったのか、などの諸事情を総合的に検討して決めることになります。
ですので、どちらが有責であるとは一概には言えません。
ーーDVと不貞がそれぞれ事実であっても、一方が有責配偶者となるのでしょうか
例えば、妻の不貞行為が発覚したことに夫が腹を立て、夫が妻を1回だけ叩いたというような場合は、不貞行為をした妻が有責配偶者となります。
逆に妻が日常的に夫からのDV被害に遭っており、精神的に疲弊してつい不貞行為に至ってしまったという場合は、DVをした夫側が有責配偶者になる可能性が高いです。
離婚した際の慰謝料額ですが,DVであっても不貞であってもそう大きくは変わりません。おおむね100~300万円程度となることが多いです。双方が有責配偶者である場合はどちらが責任が重いかによって金額が決まりますので、相殺ということもあります。
先ほどの例でいえば、先に妻が不貞行為をして、それに腹を立てて夫が1回だけ叩いたということであれば、妻の責任が90%、夫の責任が10%などという判断になることもありえます。