選択的夫婦別姓制度の導入を目指して活動しているソフトウェア開発会社「サイボウズ」社長の青野慶久さんらは4月24日、東京・霞が関で記者会見を開き、世論を喚起するために新しく法人を立ち上げることを発表した。
今年6月に発足予定の法人では、2025年までに選択的夫婦別姓の実現を目指し、社会調査や教育普及活動、議員へのはたらきかけなどをおこなうとしている。
●「息の長い活動にするため法人化することにした」
発足するのは、一般社団法人「あすには」。議会にはたらきかけをおこなってきた「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の事務局長である井田奈穂さんが、代表理事に就任するほか、青野さんや第二次夫婦別姓訴訟の弁護団事務局長だった野口敏彦弁護士が理事をつとめる。
会見で、井田さんは、団体発足の背景について「宗教右派など、選択的夫婦別姓制度に反対する一部の議員やその賛同者からの弾圧が激化している」と述べた。
「地方議会に陳情請願をすると、請願者の住所を割り出そうとしたり、SNSでさらすと言って脅したりします。地方議会にはプライバシー保護のお願いをしているところです。息の長い活動にするために、法人化することにしました。ジェンダー平等なくして日本の未来はないと考えて世論喚起していきたいです」(井田さん)
青野さんは、夫婦別姓訴訟の原告として最高裁まで争ったが、請求は認められなかった。
「2018年に提訴して、世論を形成し、この問題の理解を進めるよう努めてきました。裁判は残念ながら棄却されましたが、日本国民の多くの人が賛成するところまできました。この活動を持続的なものにしていきたい」と話した。
法人発足のためのクラウドファンディングも同日からスタート、6月24日まで実施される。