英政府の自主隔離の指導は不十分? 専門家25人が指摘

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画像提供, Getty Images

英政府の「自主隔離」に関する指導は不十分だとして、同国の専門家25人がマット・ハンコック保健相に書簡を送った。

英政府は新型コロナウイルスの感染症COVID-19の症状がみられた人に対し、1週間自宅から出ず、他の人と接触しないよう指導している。

その後、気分がよく、発熱がない場合は、自主隔離を終えていいとしている。

一方、世界保健機関(WHO)は症状がおさまった後、2週間自主隔離をすべきだと助言している。

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こうした状況に、公衆衛生が専門のニューカッスル大学のアリソン・ポロック教授と、懸念を抱く24人の同僚らは、政府の指導の正当性の証拠を示すよう求めている。

「科学と専門家の助言を受け勧告」

英保健・公的介護省は、科学と専門家の以下の助言に基づいて勧告を出していると説明する。

  • ほとんどの人は新型ウイルス感染から5日以内に症状が現れる
  • 感染から1週間が過ぎて新型ウイルスを伝染させる可能性は非常に小さい

英政府のガイダンスは、新型ウイルスの検査で陰性となった後も、せきが数週間続くことがあるとしている。ただ、だからといって自主隔離を延長すべきだとはしていない。

しかし、症状が悪化し、特に息切れや新たな発熱がみられた場合は、NHS111(医療電話相談)に連絡するよう呼びかけている。

政府はまた、WHOの勧告は骨格を示すもので、各国はそれぞれ状況に合わせてそれを適応させるとしている。

ある政府担当者は言う。「政府の新型ウイルスへの対応とすべての臨床的なガイダンスは、科学と、常に私たちの安全に努めている世界的に高名な臨床医や公衆衛生の専門家、伝染病学者などの科学者たちのチームに導かれたものだ」

「自主隔離となる症状の幅が狭い」

だが、ポロック教授と同僚らは、症状が出始めてから7日以上(10~24日)たっても感染させる危険性があるとする報告が出ていると指摘。

「イギリス政府が自主隔離の指標になるとしている症状の幅の狭さにも懸念を抱いている」と、ハンコック氏への書簡で述べている。

英政府はせきと発熱が主な症状だと説明。さらに、次のよくみられる症状も含まれる場合があるとしている。

  • のどの痛み
  • 体のだるさ
  • 息切れ
  • 筋肉痛

ポロック教授らはまた、「他の国々はもっと多様な症状を自主隔離の対象にしていると認識している」と付け加えている。

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(英語記事 Experts: Does UK's isolation advice go far enough?)