イタリア首相、ロックダウン緩和の意向 来月4日から

Giuseppe Conte
画像説明, イタリアのジュゼッペ・コンテ首相

イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため3月9日から実施しているロックダウン(都市封鎖)について、5月4日から段階的に緩和する方針を示した。今週末までに正式に発表するという。

コンテ首相はフェイスブックで、イタリアは「最大限の警戒」という政策をやめることはできないとし、「厳格な科学的政策」に沿って経済活動を再開させていくと説明した。

新型ウイルスによる死者数が欧州で最多のイタリアでは、これまでに2万4600人以上が死亡している。同国の人口は約6000万人。

21日に公表されたデータによると、新型ウイルスによる感染症(COVID-19)を現時点で発症している人の数が、2日連続で減少した。一方、新たな死者数は過去24時間で534人増え、前日20日の454人を上回った。

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新型ウイルスと「共存」

コンテ首相はフェイスブックに投稿した声明で、イタリア政府は、新型ウイルスとの「共存」というロックダウンの「第2段階」に向けて、絶えず調整を続けていると強調した。

「『すべて再開しよう、いますぐに』と言えるようになりたい。(中略)しかし、そのような決定は無責任だろう。感染曲線の上昇を制御できなくなり、これまでの我々の努力を台無しにする可能性がある」

コンテ首相は、「措置の緩和は十分に構築された、明確な計画に基づいて進めなければならない」とした上で、イタリアは「最大限の警戒ラインを放棄することはできない」と付け加えた。

A man walks past the Colosseum in Rome wearing a face mask

画像提供, Getty Images

画像説明, イタリア・ローマのコロッセオ前を歩くマスク姿の男性

欧州諸国のロックダウンは

イタリアは、ユーロ圏第3の経済大国。ドイツやオーストリア、チェコなど欧州諸国はそれぞれ、事業や教育機関に対する制限を徐々に緩和し始めている。しかし、EU加盟国間での調整は行われていない。

デンマークでは、小学校と保育園が12日から、理美容店やタトゥー店などの営業が20日から再開している。12歳未満の子供たちの教育が再開したのは、欧州諸国で初めて。

ノルウェーでは20日、弁当の持参や新たな衛生規則を順守することを条件に、幼稚園が再開された。

こうした中、幼い子供たち以外は自宅待機を続けている。フランスは全土でのロックダウンを5月11日まで延長しているが、ロックダウン解除後に直ちに学校は再開しないとみられる。

フランスのジャン=ミシェル・ブランケール国民教育相は21日、ロックダウン解除後は小学生から順次、登校を再開する方針だと述べた。

スペインでは現在、すべての子供たちの外出が禁止されているが、政府は14歳未満の子供たちの外出を27日から認めると発表した。ただし、親と一緒に食料品店や薬局へ行くときに限られる。

スペインのロックダウンは5月9日まで延長されている。

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(英語記事 Lockdown exit plan coming this week - Italy PM)